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NIKON NUVIS mini i 25mm f4 写りの良い単焦点レンズを持つAPSフィルムカメラ


 







1996年発売、25mmの単焦点レンズが付いたニコンのコンパクトカメラである。25mmのレンズといっても、APSフィルムカメラなので、そんな広角ではない。フルサイズでいえば、38mm、準標準レンズである。

APSフィルムカメラはズームレンズばかりで、単焦点カメラは珍しいのだけど、このカメラはさらに変わった特徴がある。4つ子の兄弟なのだ。

NIKON NUVIS mini i

FUJIFILM EPION 100

KYOCERA ULTIMA 100

MINOLTA VECTIS UC





http://progsch.net/mediawiki2/index.php?title=Vectis_UC


この4台は全く同じカメラだ。フジフィルム、ニコン、ミノルタ、京セラ。資本関係もなければマーケットもかぶるガチンコのライバルだ。それが同じ工場でできた同じカメラを売るとは…。

そう考えると邪悪な大したことのないカメラのようだが、作っているのは4社のどれでもなく、レンズ性能に定評のある 日東光学らしい。レンズが日東光学製となれば、安物の3群3枚トリプレットも、期待ができる。もうフィルム販売が終了してしまったカメラから、レンズだけ取り出して、デジカメにつけてみよう。






フォーカスはヘリコイドアダプター。レンズはボディキャップにつけてもいいが、今回は3Dプリンターでつくってみた。絞りを付けてf4開放とf8が選べるようにした。小さくていい感じだが、小さすぎるとデジタル相性が悪くなる。はたして…
開放で撮ってみる。3群3枚のトリプレットだけど優秀だ。さすが日東光学。
右上の隅を拡大してみる。コマ収差で滲んでいるが、解像している。





周辺減光、色かぶりがあるが軽めではある。同じAPSトリプレットのオリンパス24mmと比べてどうだろうか。どちらも優秀だが、オリンパスのほうが上かなあ。でもこのレンズいいレンズです。
周辺が厳しくなりやすいトリプレットだけど、なんか余裕を感じる。
これは使えるレンズだとおもいます。










日東光学の正統派ゾナー WALZ 35-SIII S-KOMINAR 4.8cm f1.9

 古典的なゾナーは、多くのレンズを貼り合わせることで表面反射を抑えた高級レンズで、1950年代はレンジファインダーカメラの明るいレンズによく使われていた。特徴としてバックフォーカスが焦点距離に比べて短く一眼レフ向きではないところがある。しかもレンズコーティング技術が進化した現代では、レンズを貼り合わせる利点は減り、古典的ゾナー構成はほとんど使われなくなった。

さてその高級なゾナーを、レンズ固定式のカメラにあえて採用したのがWALZだ。この1958年製のWALZ35-SIII のレンズは S-KOMINAR4.8cm f1.9、日東光学製。通常はガウスタイプでつくるスペックだが、こだわって3群7枚のゾナータイプにしている。この後の機種(ENVOY35)ではレンズ構成図をカメラ上面に描いてアピールしたほどの自慢の一品だ。



自慢のレンズ構成はこんな感じ。高価な3枚貼り合わせを2群もつかった正統派ゾナー構成だ。
このレンズをカメラから分解。ゾナーらしくバックフォーカスは短く、改造するにはぎりぎりだ。ヘリコイドはオリジナルに変更してEマウント化した。

さて、正統派ゾナーの写りを見てみよう。


全体に優しくオールドレンズらしい写りだ。ふわっとしているのは古いレンズコーティングのフレアによるためか。それでいながら、拡大すると細かいところまで解像している。背景は2線ボケだけどふわっとしていて、雰囲気がある。
もう一つ特徴は色が豊かなこと。ゾナータイプの長所をこのレンズも持っている。


もともとの最短撮影0.9mに対して、オリジナルのヘリコイドなので0.4mくらいまで寄っている。フレアーがかっていて、ボケもグルグルしている。近距離に弱いのもゾナータイプの特徴だが、色がきれいなのでいい感じ。




夜撮ってみるとフレアーだ。レンズは曇っていないけど、古いコーティングのせいか。あとコマ収差があって、これらがふわっとした描写の原因なのだろう。

撮ってみると、ちゃんと解像するけど優しいふわっとした描写。そして色乗りが良くてきれいに写る。こういうところは元祖ゾナー(とほぼ同じ)JUPITER8M 50mm f2と同じ傾向がある。その一方で、背景ボケや絞った時のシャープさはJUPITERよりも劣っている。
オールドレンズらしい性格ともいえるので、楽しんで使ってみよう。

撮ってきた写真を追加。

ゾナーの欠点は糸巻き型の歪曲収差がでることで、このレンズも強めに出ている。

色のりはとてもいい。「ゾナーは一色多い」と言われただけのことはある。

ボケはけっこう妖しい。異次元的存在感があって、オールドレンズの醍醐味ともいえる。

妖しいボケは輪郭が強調されたシャボンボケが原因の一つだ。でも妖しいボケがあると、フォーカスが浮きたつ。なかなか良いレンズだ。













コミナー:日東光学のレンズ MAMIYA-KOMINAR 48mm f2 マミヤ 35ルビー スタンダード 

MAMIYA-KOMINAR 48mm f2 1961年

日東光学は富岡光学と並んで、オールドレンズ好きにはなじみのある名前だが、現在も最先端企業だ。nittohという名前で、まだまだ光学技術企業として活躍している。
一般にあまり名前が出ないのはBtoB中心であることが大きく、Webサイトを見ると宇宙船ハヤブサのレンズまで作っている。

そんな光学技術会社だが、最初は日本光学(ニコン)の第二次世界大戦時協力工場で、レンズを磨いていたらしい。もともとあった東映社と日本光学が合わさってできたから「日東光学」なのだろうか?

疎開工場として諏訪エリアは人気だったが日東光学も諏訪湖の南の「湖南」(コナミ)にあって、レンズブランドはそこからコミナーになった。戦後は各社のレンズをそのコミナーブランドまたは相手先のOEMで作った。
1960年前後になると、カメラメーカーの淘汰が進むようになり、カメラ製作から撤退した岡谷光学(トプコン/東京光学系列)八陽光学(ニコン/日本光学系列)の技術者を吸収して、総合光学メーカーになった。とWebからリサーチした。

このカメラは1961年製のマミヤルビー スタンダード。前年1960年まで、48mmf1.9のセコール付きだったが、1961年1月のキヤノネットの18800円という低価格の発売に影響をうけた。このカメラはコストダウンを余儀なくされて、その年の12月にでてきた新型である。よく1年未満で対応したものだ。
48mmf1.9のセコールレンズから、48mmf2のコミナーレンズに置き換えることで、21300円から17800円にコストダウンしている。キヤノネットよりも1000円安いが、自動露出がなく、f1.9に対してf2とスペック上は暗いので、定価を下げざるをえなかったのだろう。

マミヤは自社製のレンズを日東光学に外注することで大幅にコストダウンしたことになる。そんな激安レンズだが、写りの評判は良い。5群6枚のダブルガウスなので、悪くはないと思うがコストダウンと描写の両立はどの程度うまくいったのだろうか。

マミヤ ルビー スタンダード。シンプルなモダンデザインだけど、以前の「メトラ」などに比べての機種に比べて味気ない感じは否めない。レンズはマミヤとコミナーのダブルブランド。壊れたジャンクカメラからレンズを取り外す。後群の貼り合わせに少しバルサム切れがあるが、それほど影響ないだろう。
マミヤのカメラはメカが整然としていて、良い設計だ。分解も容易だし、メカもシンプル。
改造も手際よく進む。
無限遠調整の結果、センターがずれてしまった。あとは問題なし。オリジナルのヘリコイドは(寄れないので)使わず、ヘリコイド中間リングを使う。さて、不要不急の撮影だ。


f5.6。すごくシャープというわけではないが、この距離でも背景とフォーカス面が良く分離している。背景のボケはすこし荒れていて、旧型のマミヤ セコール48mm f1.9と似ている気もする。

ミミズかと思ったらアオダイショウの幼蛇。すごくちっちゃくてかわいい。触ったら動かなくなった。寄れるレンズは楽しい。

逆光は弱い。ちゃんと撮るならフードは必要。

花桃の実。熟したら食べられるかな?ボケはいい感じだけけど、レンズの汚れ(カビ)が出てますね。もう一度きれいにしてみるか。

ボケはきれいですが、旧型ほどのメリハリはない感じがしました。微妙なレンズ曇りのせいか?
好みでいえば、
マミヤセコール旧型4.8㎝ f1.9>セコール48㎜ f1.7=セコール新型48㎜ f1.9>KOMINAR48㎜ f2 というファーストインプレッションでした。
マミヤセコールのほうが立体感があるのです。まあ、またとってみましょう。








中口径だけどデラックス。日東光学製のリケノン Ricoh 500 deluxe / RIKENON 4.5cm f2.4


RIKENON 4.5cm f2.4

古いレンズばかりいろいろ体験してみたが、3群5枚構成のレンズに注目している。5枚レンズは収差補正にむりがないが、オールドレンズらしい個性も出る。それでいて3群の構成は抜けが良く、力強い描写が得られる。3群5枚構成は面白い、こんな視点で見ていて目に留まったものがある。

Ricoh 500 deluxe 
リケノン   45mm F2.4  3群5枚構成(日東光学製)
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera/cameralist/ricoh500DX.html

デラックスの低価格版という謎の立ち位置に、3群5枚の日東光学製レンズを活用している。レンズ構成の資料はないので分からないが、中口径で高級仕様というのは魅力的であり、調査してみる事にした。

これが1958年製 リコー500デラックス。ボディ底面のトリガー巻き上げが魅力的。でも例によってジャンクで、残念ながら本格的に壊れていて空シャッターもできない。
さてこのレンズ、どんな構成か分解してみる。
レンズボードは分解できない。後ろ側からレンズ後群をはずす。

曲率の大きなメニカスレンズ。ヘリアー型じゃなくて、4群ある…リコーさん、資料のスペックまちがえていますよ。正しくは4群5枚 クセノタータイプのレンズ構成です。だいたいこんな感じ。

クセノターは対称形の構成ながら、後群を広角レンズに向いた仕様にしていて、その結果、画面の隅までクセのない高画質にすることができる。前に試したヤシノンも大変高性能だった。気を取り直して、このクセノター・レンズもデジタルにつけてみよう。

レンジファインダーカメラは最短撮影距離長くて寄れない。工夫してm42マウントを装着し、ヘリコイド中間リングをフォーカス用としてはさむ。これで、被写体に寄ることができる。写りはどうだろうか。

・隅まで良く写る。
・ボケは素直。
・近距離でもよく解像する。

中口径ながらとても優等生っぽい。
天気のいいときに三密を避けながらお散歩してみよう。