Hanimexはオーストラリアの写真用品メーカーだった。
1947年に起業。カメラも多く販売していたがOEMであり、日本製が多かった。SEDICやリコーなどがOEM先だ。1989年からM&Aの波にのまれ、最終的にはフジフィルムに飲み込まれた。
標準44mmもプラスチックレンズで2群2枚。テレフォト気味の構成のようだ。
せっかくのデュアルレンズ、なんで焦点距離の差をもっとつけないのだろうか。
標準側はテレフォト構成気味にして、カメラサイズの可能な限り長いレンズにしようとはしている。反射鏡など使わないシンプルな構成では限界か?
広角は34mmだが、ちゃんとしたトリプレット構成。流用できる中で最も広角なレンズだったのかもしれない。
34mmと44mm、切り替え式なのになぜ差が少ない?と思ったが、ターレット式の構造ではこうなるしかなかった、ということだろう。
このターレットをそのまま使ってEマウントにしよう。
ターレットはそのまま使うとして、せっかく改造するのでフォーカスは合わせたい。フォーカス用ヘリコイドは欲しい。
コンパクトカメラなのでバックフォーカスは短く、ターレット構造を活かすと汎用ヘリコイドは使えない。簡単な回転ヘリコイドをオリジナルで作ることにした。
絞りもそのまま使いたい。オリジナルではフラッシュスイッチと連動していたが、絞りリングに改造しよう。
ターレットの受け、絞り操作、ヘリコイドを3Dプリントする。今まで作ったことのないメカ(ターレット構造)なので、プリント→調整→再プリント→調整→再々プリントと、繰り返すことになった。
作って試写してみると、像が二重だ。横のレンズからの映像が混入している。
別像の混入防止対策をする。マウント部にフレアカッターを設置した。
ターレットなので円筒がずれて見える。オリジナルは横配置だったが持ちにくいので縦配置にした。
44mm f8は、実際もf8。絞ってf13くらいだった。
逆光でなければコントラストはある。この距離なら立体感もあるしハイライトの滲みは面白い。でもシャープさはもう少し欲しい。
44mmの開放 f8 (上)と f13(下)
この後はぜんぶ44mm
最後は開放で。44mm f8
34mmと44mm。焦点距離の差は僅かですが、個性のある単焦点レンズなので充分楽しめます。
34mmが3群3枚のレンズ。ちゃんとしたトリプレット構成。
44mmは2群2枚のおもちゃみたいなレンズ構成。でも撮っていて楽しく、よく写ったのは44mmのほうでした。
44mmは、ほとんどトイレンズなので、もちろん収差はあります。大きな糸巻き型の歪曲収差。色収差。球面収差と思われるハイライトの滲み。しかも逆光に弱い。
でもハレ切りすればコントラストはあり、中心部ならばけっこうシャープで立体感のある描写。44mmと、トイレンズにしては長めの焦点距離なこともあり、周辺まで像は崩れずいい感じな画になります。
チープなHANIMEX 35DL 、44mmはおすすめで楽しめます。
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