CANON LENS 26mm f2.8
4群4枚構成。構成図は点線部は想像。非球面部は適当に描いてある。
前3枚、ガラスレンズのトリプレット構成に、収差補正のためのメニスカスレンズ(プラスチック非球面レンズ)を追加したレンズ構成に見える。
レンズ4枚構成もf2.8の明るさも、コンパクトカメラでは普通のスペックだ。
しかしAPSフィルムカメラは貧弱なレンズが多く、このCANON 26mm f2.8は最も明るいレンズだった。
分解して、フィルム室からレンズを見る。
沈胴式で沈んだ状態では、後玉がフィルムに迫り、バックフォーカスがほぼない。
伸ばした状態でもバックフォーカスは厳しそうだ。
果たして、このレンズを改造して、デジタルカメラに収まるのか。
カメラを分解してレンズを抽出。鏡胴を3Dプリンターで創る。
2枚絞りで変な形だが、レンズ構成内にあるのでスペースもなく、自作は難しい。そのまま使うことにして、前側からノブで操作できるようにした。
問題のバックフォーカス。
無限遠を調整すると、レンズから画像面までのバックフォーカスは約11mm。
装着するソニー NEX-5R(古い、、、)の内部測定すると、レンズとシャッター幕とのクリアランスは1mm。シャッターを切るまで、何度も確認してから、恐る恐るシャッターを切った。
今回の改造では、レンズがマウント内に潜り込むレイアウトになる。ヘリコイドも隙間スペースに自作、ミニマムなデザインになった。
前に見えるノブは絞り操作用。
とてもコンパクトな26mm(フルサイズ換算39mm) レンズ、さあ撮ってみよう。
開放f2.8
中心部はシャープで気持ちの良い描写だが、周辺部はボケている。この像面湾曲はデジタル相性の問題もあり、フィルムの時よりも強調されているかもしれない。
ここまでf2.8開放。26mmでも、被写体に寄れば、背景をぼかすことができる。
f2.8開放では、非点収差によるグルグルボケが発生した。小さいサイズなのに暴れるレンズだ。ここからはf5.6に絞る。
f5.6に絞ると、シャープな領域が広がって、だいぶ安定する。(4隅はまだ暴れている)
周辺の紫かぶりはデジタルとの相性の悪さによって出る。
短い焦点距離で、小さいレンズほど顕著化しやすい。
色被りは気になるが、26mmレンズとおもえば軽いほうでもあり、センサーが改良された新しいカメラなら発生しないかも。
最後の夜景はf2.8 開放。古いデジカメISO3200なので、画像は荒れているが、フォーカスの合った中心部はシャープだ。
中心部はシャープに写るレンズです。
同じAPSフィルムレンズで比較すると FUJIFILM TIARA ixのFUJINON 24mmのほうがシャープに写ります。でも写りの個性はだいぶ違いました。
均質でおとなしいFUJINONに比べて、今回のCANON 26mmはちょっとした暴れん坊です。比較的明るいこともあって、周辺部に向かって荒れたボケになり、ポジティブにいうと、メリハリが効いた描写になります。
APSフィルムカメラでは、明るく個性のあるレンズは貴重です。楽しく撮影できました。
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