APSは、iX240フィルムを使用する「アドバンストフォトシステム」で、アナログフィルムに先進的機能を追加した規格である。1996年にコダックが開発、各社を巻き込んで発売した。
実はコダックが35mmフィルムの改善をコンセプトにするのは2回目である。
1回目は1963年のインスタマチック(126フィルム)。35mmフィルムと同じ幅のフィルムを、巻き上げリールも一体のカセットにした。それにより簡単装着を可能にして、60,70年代に大ヒットした。消耗品であるフィルムが複雑な構造であり、カメラ本体は単純な構成になる。フィルムの平面性/大きさ/コストに欠点があり、35mmフィルムカメラの高機能化にしたがって姿を消した。
2回目のAPS (1996年)では、フィルムのオートローディングと磁気記録を組み合わせて高度な自動化を達成している。フィルムの高性能化を理由に、小型化してコンパクトにした。富士フイルムやカメラメーカー各社も規格に参加して大きな広がりを見せた。左が35mm、右がAPSフィルム。フィルムの幅は2/3の小ささ。
しかし強みだったコンパクト化や自動化は日本の得意技で、旧来の35mmフィルムカメラでも実現できた。35mmフィルムに対するアドバンテージは薄まり、さらに新しく産まれたデジタル写真も進化。中途半端なAPSフィルムは存在価値を見出せないまま人気はなくなり、2011年にフィルム販売を終了した。
大規模な新規格の失敗をしたコダックは、APSと同時に、2012年1月に倒産した。
APSが実質的に存在していたのは10年間。1996年の発表から最後のAPSカメラが2004年。(たぶん最後はFujifilm Q1zoom、ほとんど売れなかったと思われる)
デジタル化の流れの中でそれなりのヒット作もあったが、残ったのは画素センサーの「APSサイズ」の名前くらい。ほとんどなにも残らなかった 「あだ花」 である。撮るフィルムが無くカメラが消えていく今、あえてそのレンズたちに光を当ててみようと思う。
ミラーレスのデジタルカメラで、改造したレンズ を中心にレヴューをする。
大規模な新規格の失敗をしたコダックは、APSと同時に、2012年1月に倒産した。
APSが実質的に存在していたのは10年間。1996年の発表から最後のAPSカメラが2004年。(たぶん最後はFujifilm Q1zoom、ほとんど売れなかったと思われる)
デジタル化の流れの中でそれなりのヒット作もあったが、残ったのは画素センサーの「APSサイズ」の名前くらい。ほとんどなにも残らなかった 「あだ花」 である。撮るフィルムが無くカメラが消えていく今、あえてそのレンズたちに光を当ててみようと思う。
ミラーレスのデジタルカメラで、改造したレンズ を中心にレヴューをする。
(レンズ/カメラ名のクリックで作例になります)
APSフィルム一眼レフ用交換レンズ
APSフィルム一眼レフ用交換レンズ
専用レンズはニコン、ミノルタの2システムが発売された。
◼️ IX Nikkor
◼️ IX Nikkor
Nikon PRONEA シリーズ用の専用レンズ。マウント自体は通常のFマウントだが、マウント内に出っ張っていてPRONEA以外には装着できないし、マウントアダプターとも干渉しやすい。その場合、アダプターの干渉部分を削除する必要がある。アダプターは、絞り操作のできる「Gタイプ」マウントアダプターで内径の大きいものが良い。
私の持っているレンズは、どれも小型軽量、素晴らしい描写でさすがニッコールだと思う。
私の持っているレンズは、どれも小型軽量、素晴らしい描写でさすがニッコールだと思う。
⚫︎IX-NIKKOR 20-60mm f3.5-5.6
前後期型モデルがあるが光学系は同じ(一部コーティングが違うらしい)。万能で軽くて使いやすく良い描写。フルサイズでも24-60mmで使える。
⚫︎ IX-Nikkor 30-60mm f4-5.6
イメージサークルが広く、なぜかフルサイズでもそのまま標準ズームとして使える。理由はニッコール千夜一夜に楽しい。https://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0083/index.html
⚫︎ IX-Nikkor 60-180mm f4.5-5.6
◼️ MINOLTA V
MINOLTA Vectis シリーズは専用のVマウントを使うシステム。絞りもフォーカスもレンズ内モーター駆動になる。機能的で先進性のあるシステムだったが、レンズ改造は難しい。
⚫︎V 22-80mm f4-5.6
コンパクトな高倍率ズーム。イメージサークルは フルサイズはカバーしない。
APSデジタルで撮影。ミノルタらしい、線の細いやさしい描写をする。
APSフィルムのコンパクトカメラは、小さいことが35mmフィルムカメラとの差別化であった。そのため無理に小さくしたズームレンズが多く、画質は低下してAPSフィルムの評価も下げた。そんな高倍率ズームは避けて、描写力が期待できて改造しやすい単焦点レンズを中心に紹介する。
APSフィルムのコンパクトカメラは、小さいことが35mmフィルムカメラとの差別化であった。そのため無理に小さくしたズームレンズが多く、画質は低下してAPSフィルムの評価も下げた。そんな高倍率ズームは避けて、描写力が期待できて改造しやすい単焦点レンズを中心に紹介する。
レンズはガラス製3群4枚のテッサー構成、ちょっと大きめのコンパクトカメラ。描写力はまあまあ良い。
◼️GOKO FR-2200
3群3枚ガラスレンズ。中心部の写りは良好だが隅はもうちょっと。印象として、悪くないけどそれほどでもない。
廉価版の普及機。ビッグミニS100と間違えて購入したSミニ。「コニカS」も昔あったので紛らわしい名前だ。しかも安かろう悪かろうで評判は悪い。Konica Lens 25mm f6.7 、3群3枚レンズ。
たぶん一番売れたAPSフィルムカメラ。2群2枚のプラスチック非球面レンズはそれなりにまあまあの写り。
日東光学によるOEM製品だが、ほぼ同じ仕様のOEMカメラがたくさんある。同じ中身で商売し過ぎではないのか?見たところ以下のカメラがあるが、もっとあるかもしれない。
FUJIFILM EPION 100/KYOCERA ULTIMA 100/MINOLTA VECTIS UC
25mm f4の3群3枚トリプレットレンズは、中心はキレ良く周辺に向かって緩くなる。撮影して、なかなか良い印象。
1997年発売
◼️OLYMPUS NEWPIC AF200
名機ミューを思わせるカプセルカメラ。デザインはガチャガチャしていて、ミューほどカッコよくないが、オークションでよく見るので結構売れたのだはないだろうか。
27mmレンズは3群3枚のガラス製だが、f6.7と暗いレンズだ。
◼️GOKO FR-2200
GOKOは1980から90年代、世界最大だったコンパクトカメラOEM製造メーカー。ユーザーの使い方の考察から、失敗の少ない撮影モードをシンプルに実現する「ユニバーサルフォーカス」コンセプトを発明、AFメカ無しの低コストカメラを普及させた。写真の民主化、カメラのデフレ?を推し進めた。
このFR-2200はさらに、失敗しないマクロ撮影も面白く実現して「日本の歴史的カメラ」に選ばれている。レンズはマクロ対応の25mm f6.7 トリプレットレンズ。
素晴らしく高品質なデザイン。無理をしないコンパクトサイズとレンズ設定で、まさに高級機。こんなカメラだけあってフィルムがないのは罪だと思う。カメラはまだ生きているのだからメーカー(京セラ)がフィルム供給サービスをしたら良いと思うのだが。
高級機で大事に使われたようで程度の良い中古が多く、部品取りになるような「重ジャンク」はまだ見つかっていない。
1998年発売
◼️Fujifilm EPION 1010 MRC TIARA ix
高級機で大事に使われたようで程度の良い中古が多く、部品取りになるような「重ジャンク」はまだ見つかっていない。
1998年発売
◼️Fujifilm EPION 1010 MRC TIARA ix
搭載レンズは低分散ガラスを使ったトリプレット3群3枚構成。24mm f3.5 このレンズもとても良く写る。
ガラス製3群3枚のトリプレットレンズ。固定焦点のため被写界深度の深い設計。けっこう緻密に良く写るが隅の描写はあやしい。
1999年発売
3群3枚24mmレンズは、中心部は緻密でシャープに写る。オリンパスは「ミュー」のレンズも評判良かったが、トリプレットレンズの設計が上手だ。
3枚レンズ、トリプレット構成23mm。固定焦点向けの被写界深度の深い設計で、そつなく写るがそれほどシャープでもない。
5群5枚構成 24-48mmの2倍ズーム。シャープで立体感のある素晴らしい描写力。ただ、レンズ改造はし難い。
APSフィルムカメラ、最後のヒット。21世紀になって、時代はデジタルになったが、企画が素晴らしく若い女子に大ヒットした。たった2枚の22mmレンズもそれなりに写る。
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