コニカはコンパクトフィルムカメラで何回も大ヒットをしてきたが、1989年発売のビッグミニ・シリーズはそんなコニカの最後のヒットだった。
ビッグミニのデザインは、レンズを沈胴式にすることで、ボディを薄型コンパクトにできるコンセプト。
ビッグミニのスマートなプロポーション、シンプルモダンなデザインは一世を風靡した。コニカは大ヒットしたビッグミニを大事に育て、モデルチェンジごとにレンズ性能を向上させた。
3代目のBM-301(1992年)の時に、クールなデザインと描写力は頂点に達し、アラーキーやHIROMIXという人気写真家が使用して、カメラ好きも注目するようになる。
1995年にキヤノン「写真新世紀」グランプリのHIROMIXの写真のカッコよさは衝撃的で、ブレボケ写真が活き活きとしていて、私もかなり影響を受けた。
https://global.canon/ja/newcosmos/gallery/grandprix/1995-hiromix/index.html
ヒット作のモデルチェンジは難しく、その後ビッグミニのデザインの潔さはなくなり、クールなカメラではなくなってしまう。(使い勝手は向上したと思うが、良さを消しては存在感が薄まる)
1996年にはAPSフィルムが発表され、それに対応するビッグミニBM-S100が発売された。今回のテーマである。
写真は沈胴した状態。(ジャンクなのでレンズはカバーされていない)
一見シンプルなデザインだが、微妙な曲線で歪んで見える。そのため安っぽいプラスチックカメラに見えるが、なんとアルミ製ボディだ。高級なのに安っぽい。なんとも、もったいない気がする。
レンズは28mm f3.5 APSフィルムなので、フルサイズ換算35mmになる。3群3枚のトリプレット。ビッグミニの特徴は、レンズが沈胴式なことで、無理に小さくする必要がない。画角、明るさ、大きさに無理のない設計は、描写に期待が持てる。
分解してレンズを取り出す。デジタル/ミラーレスカメラ用に改造する。
フォーカスはM42ヘリコイドリング(10-15mm)を使う。バックフォーカスに余裕は無いので、レンズはヘリコイド内に潜り込ませる構成になる。
絞りは形の悪いビハインド2枚絞りだが、メカは小さな鏡胴にうまく収まっている。そのまま使うことにして、絞りを手動で操作するためのレバーを追加した。
パーツは3Dプリターで製作。
絞りはレンズ前面のノブで操作する。デザインは、オリジナルの銘板をいかしてコンパクトにまとまった。
前面の曇りで、ハイキーになりやすい。開放で寄ると、ボケは良い。
かなり寄っているが、元々のビッグミニも最短撮影距離が短いことが特徴だった。なかなかシャープに写っている。
曇りによる滲みは、夜景ではいい感じの効果にもなる。電車の明るさがいい感じ。
3群3枚のトリプレットレンズはよりレンズの多いテッサータイプよりも、デジタルセンサーと相性が良いものが多いのですが、このKONICAはどうなのでしょうか。像面湾曲があって、4隅は微妙な描写です。
レンズのコンディションも前面に曇りがあってあまりよくありません。
APSデジタルだと標準レンズの焦点距離で、明るさもf3.5と平凡。中央部においた被写体は良い感じですが、レンズの曇りが気になって、少し盛り上がりに欠ける撮影になりました。
KONICAのレンズは好きな描写が多いのですが、曇りのあるBM-S100は微妙です。曇っていないBM-S100が手に入ったら、もう一度撮影してみようかな?
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