Hexanon 48mm f2.4
レンズ構成もよく分からなかったが光の反射から見ると、5群6枚のダブルガウス型。f2レンズと同様だ。
1950年代後半のレンズシャッター機は、シャッターが汎用なので改造は容易。ほとんどのモデルがレンズシャッターユニットを中心に鏡胴を構成している。
#オールドレンズ,#レンズ改造,#改造レンズ
コンパクトなレンズを求めてオールドカメラ・レンズを研究・改造。 ブリコラージュしてデジカメで楽しみます。 Digital camera with old lenses from compact film cameras.
カメラの自動露出が初めて普及したのは1960年だ。
1960年、OLYMPUS Auto Eyeは世界初の本格的な自動露出機能でデビューした。
https://camerapedia.fandom.com/wiki/Olympus_Auto_Eye
当時はまだセンサーもバッテリーも未熟で、セレン光電池が生み出す弱い電気を工夫して、自動露出にしていた。シャッターストロークで絞りを動かすカラクリは見事だ。
レンズは45mmf2.8、距離計付きのカメラは21500円の価格。初任給よりも高く、当時カメラはとても高価だった。
ところが1年後の1961年に、価格破壊が起きる。
キヤノンがCANONET を18800円という低価格で発売した。オリンパスと同じ自動露出で距離計付き。そのうえキヤノンは高級機メーカーでブランドは一枚上、レンズはさらにおごってf1.9の明るい高級レンズをつけてきた。
格上のブランドがより高性能なモデルを格安で出したのだからたまらない。売れなくなったオリンパスは低価格化で対抗した。
1962年、2代目OLYMPUS Auto Eye2は大幅にコストダウンして登場した。
価格はキヤノネットより安く、16800円。
コストのかかるレンズは、キヤノンのf1.9までは明るくできない。初代と同じ3群4枚テッサー構成のまま、f2.5まで明るくした。
テッサー構成は、f2.8の明るさが限界と言われており、それ以上明るくするのは難しい。
この限界を超えたf2.5レンズはどのような写りをするのだろうか。
2代目OLYMPUS Auto Eye2のジャンクからレンズを取り出して、改造してみよう。
ボディ前面の張革を剥がすと、レンズの載ったボードがビス留めしてある。そのボードに被るようにボディ天面、底面カバーが付いている。
レンズ鏡胴は、汎用部品のシャッターユニット中心に構成されている。ボード後ろ側からリングナットをはずせば、分解完了。
レンズシャッターは閉じているので開放化する。前側からシャッターユニットまで分解する。絞り機構を活かしたまま、要らないメカを外してシャッターを開放側に固定する。
フォーカスは前玉だけ動かすシンプルな前玉回転。でも近距離が弱いので、ヘリコイド中間リングによる全群繰り出しにした。これで近距離撮影にかなり強くなる。
改造したレンズは、コンパクトにまとまった。
金属と黒のリングが交互に並び、クラシックな雰囲気だ。レンズ前面にもセレン光電池と思ったが、なんとこれは、ライバルのキャノネットを意識したダミーのお化粧。
厳しいはずなのにつまらないところにコストをかけている。なんか負けフラグが立っているようだ。
さて、どう写るか撮影してみよう。明るくてもf2.8といわれるテッサーですので、やはりf2.5の口径比は限界を超えているようです。このフレアとボケの強い個性(破綻?)は、楽しめます。
同様にテッサーの限界を攻めたレンズに、1960年のニコンNIKKOREX 35があります。このレンズ NIKKOR-Q 5cm f2.5 は高性能な光学ガラスを使うことでf2.5を達成したとしていますが、開放のフレアは同じようにありました。ボケも似た傾向はありますが、だいぶマイルドです。
https://takacustomlens.blogspot.com/2022/11/25nikkor-q-5cm-f25-nikkorex-35-lens.html
クセノター構成はガウスタイプを簡略化したような4群5枚構成だ。3群4枚のテッサー、4群6枚のガウスの間になるが、性能は中間ではない。中口径でまとめるとガウス以上の解像力を発揮する。画面全体が均一で極めて高解像というのが特徴だ。
そんなクセノター構成のレンズは1950年代後半にちょっとした流行があった。
クセノター構成のオリジナルは、第二次世界大戦後すぐ、東ドイツ東ベルリンのツァイス・イエナのビオメターである。
ビオメターは、1952年当時、画期的な高性能を持ち、西ドイツ西ベルリンのローライレフレックス用に作られたが、東西冷戦下の貿易が問題になって少量しか生産されなかった。
ローライレフレックスはレンズが不足した。そして、ビオメターと同じレンズ構成のクセノターが、西ドイツのシュナイダーによって製造された。
このクセノターが衝撃を持って評価された。画面全体での高い解像力は、従来のレンズに比べて、とても大きな性能差があった。その衝撃からこのレンズ構成は(オリジナルはビオメターだけど)クセノターといわれるようになった。
そして1950年代半ばから 日本でちょっとしたクセノターの流行が始まる。
Ricoh 500 deluxe / RIKENON 4.5cm f2.4 (1958)
クセノターは、ガウスタイプのような明るい大口径は得意ではないが、高解像中口径レンズである。ウィキペディアによるとクセノターが高性能なのはF2.8までのようだが、このリケノンは頑張ってf2.4。
f2.8は低コストのテッサータイプでも実現できるので、半絞り明るく差別化したのだろう。その半絞りがどんな描写になるのか。
Ricoh 500 deluxe はカメラ底面の、フィルム巻き上げ速写レバーがカッコいい。メカマニア心をくすぐるが、手に入れたジャンクは動かなかった。
デジタル用に改造する。
1.裏蓋を開けてフィルム室側からレンズを外す。
2.レンズ前側から分解してレンズシャッターを開放化する。
3.M42マウントを付ける。
この3行程を試行錯誤しながら楽しむ。
M42ヘリコイドリングを使ってカメラに装着すれば完成だ。さあ、撮影を楽しもう。
クセノター構成の特徴は、画面隅まで均質に高画質なことだと思います。それは大きなフォーマットのカメラに向いていて、中判カメラの標準レンズに1970年代末まで使われていたことが納得できます。
描写は、モノを記録するためのマクロレンズや、精緻な風景写真に向いていて、クールな写真が撮れそうです。癖のないクセノター。
オールドレンズとしてみると、面白みがわかりにくく、玄人好みな気がします。私みたいな軽いノリでは、まだまだ修行が足りません。
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