写ルンですスーパースリムのレンズをデジカメ用に改造する。その2 FUJIFILM 24mm f10: Modifying the lens of "Quick Snap Super Slim" for use with a digital camera. part2

 「写ルンです」レンズ改造、前回の続きである。

APSフィルムをつかう「写ルンです スーパースリム」のレンズを、APSデジカメ用に改造した。写りは想定内で、まあまあ満足できるものであったが、糸巻き型の歪曲収差だけは思いのほか大きかった。もともと「写ルンです」はフィルム面をわずかに湾曲させているのが特徴で、それをフラットなデジタルセンサーで撮影することで歪曲収差がでたのだと思う。

そこで今回の改造である。レンズ後方にあった絞りを、2枚のレンズの間に移そうと思う。レンズ後部の固定絞りを無くして、もともとフレアカッター状に入っていたレンズ間のスペーサーを固定絞りにしてしまう作戦である。

絞りの位置は光学的に重要であり、前方に移すと糸巻き型の歪曲が補正される。さらに、光が斜めにセンサーに入ることで、悪化していた4隅の描写も少し改善される。(はずである)

これがもともとの「写ルンです スーパースリム」のレンズ構成図(ラフ)


   
後ろ絞りを拡大し、スペーサーとして入っていた中間の紙を、固定絞りの紙に変更した。

この小さな穴の空いた紙が絞りである。


逆光には弱いので、サイズの小さな(効果も小さい)フードもつけてみた。これで撮影してみる。



右上の拡大。絞りの改造前と後を交互に表示している。看板を見ると、引き攣れていた歪曲収差と隅の描写は少し改善した。2群2枚のチープなレンズなので隅までくっきり、と云うわけにはやはり行かない。



上が改造前で、下が絞りの改造後。糸巻き型の歪曲収差は少しだけど、よくなった。


ヘリコイドアダプターを使ったので、クローズアップもフォーカスできる。描写は悪くない。f10相当の暗い広角だからボケは小さいが、スムーズできれいだ。










「写ルンです」の24mmレンズ、写りはデジタルセンサーとの相性も悪く、周辺減光、色かぶり、隅はボケる、けっして良い描写ではありません。でも小さくて軽く、被写界深度が深く、パンフォーカスで撮りやすいのでいい加減に写せて楽しいレンズでした。
そんな「写ルンです」レンズを改造しましたが、今回のレンズの絞り位置の変更は、簡単な改造で欠点を(少し)修正することができる良い方法です。















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