8ミリフィルムのシネレンズは、3.3mm×4.5mmというフィルムサイズに合わせた小さなイメージサークルしか持たない。そのためこれらを使って写真を撮るには、レンズ交換の出来る極小センサーのカメラが必要になる。例えばペンタックスQや、ベラミHD-1がそれらの数少ない候補だ。
でも、マニアックなそれらのカメラは、中古でも高いのだ。私のように「写りを見てみたい」気軽なニーズには向いていない気がする。しかたがない、なければ創ろう。
改造するためのベースは、固定焦点のシンプルなデジタルカメラ。今となってはスマホカメラ以下のオモチャみたいなものだ。これを分解、レンズをはずしてレンズ交換のためのマウントをつける。
取り外すレンズに電気的な配線があると面倒のモトだから、オートフォーカスではなくて固定フォーカスが良い。KENKO、HITACHI、YASHICAブランドのちょっと古いデジカメが、チープで良さそうだ。そこで古すぎずモニターも大きめのKENKO pixmo dsc90 を選んでみた。
pixmo dsc90 は2010年発売の比較的最近のカメラだが、フォーカスは遠と近の手動2段、すごくチープですばらしい。1/2.3型のCMOS センサーを持ち画素数は比較的多い900万画素。電子シャッターではなく、レンズ前面にメカシャッターがついている。これは写りにはいいが、改造には面倒だ。
さて、分解して改造してみよう。
まずは分解。ネジを外せばいいのだが、銀色の部分の下にある隠しネジに苦労する。パチンとはまるように成型されているから見極めが難しい。まあ失敗しても、接着組み立てにすればいい。
レンズ前面についていたメカシャッターユニットは丁寧に外してセンサー前に移植。
レンズ後端には赤外線フィルターがあるので鏡胴を糸鋸で切って取り出す。CMOSセンサーには赤外線フィルターが必要なためメカシャッターの上に接着することにする。
いろいろ楽しみながら改造。メカシャッターの配線を切ってしまってハンダ付けで直したのが小さくてしんどかった。
このようにして、1/2.3型ミラーレス一眼の完成。どんなふうにうつるのか。
8mmシネ用のズノー(1960年製)6.5mmと13mm f1.9を付けてみよう。
まずは広角タイプの6.5mmから。
ZUNOW 6.5mm f1.9 レンズが曇っていますね。分解清掃するには、小さすぎてやだなあ。
このくらい短焦点だと絞らない方が良く写る。画角は標準よりも少し広いくらい。
被写界深度が深く、モニターも荒いのでどこにピントが合っているのかわからない。こうしてみると後ピンだ。外で正確なフォーカシングはむりだ。 ちゃんと無限遠を調整して、目測で合わせるのがよさそうだ。
カメラの性能が低いので、フォーカスは合わせにくいが、あっているところはしっかりと際立つ。よいレンズだと思うけど使いにくい。
大きな樽型の歪曲収差。1/2.3型センサーはダブル8のフイルムよりも大きいので、4隅はイメージサークルが足りていないようだ。
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