CINE-S.ARCO 13mm f1.4 小さい美徳


1959年の明るいシネレンズを撮る。




 アルコは1950年代の高級カメラメーカーで、独自性のある技術を売りにしていた。1950年代後半の8mmフィルムシネカメラにおいても高級機を展開した。



3本の固定焦点レンズをターレットで装備する時代。重厚なボディは高機能で人気だったが、1960年代になると高倍率ズームで手頃なものが主流になる。高精度だけど高価格重厚なカメラを得意とするアルコは、1960年末に倒産した。しかもこの時、ズノーにズームレンズを大量注文していたため、連鎖倒産させてしまう。日本製カメラの高性能イメージをつくった2ブランドが同時に消えてしまった。

この13mm f1.4 はアルコの最高級機に使われている、明るいf1.4のシリーズである。触ってみると、さすがの工作精度で気持ちがいい。このレンズはズノーのOEMではないか、という話もあるがどうだろう?造りからみてアルコ製の気がするが...

このレンズをdマウントカメラ(チープなデジカメを改造)に付けて撮ってみよう。













上から順番に開放f1.4、f2.8、f5.6で撮ってみる。

f1.4開放は、解像しているがフレアーがでる。レンズが明るいので、写真は露出オーバー。

f2.8に絞るとフレアーは消えて安定する。




















f5.6が一番シャープだ。さらに絞ってf8以降は小絞りボケがでる。





桜餅のアップ。撮ってみると、標準レンズというよりは70mmくらいの望遠。近距離は得意な印象。0.3mまで寄れる。





絞りを開けると画面がフレアがかるが、少し絞ればくっきり写る。

それで、撮ってみての印象ですがフォーマットの小ささをやはり感じてしまいました。単に不鮮明なとき、そこそこ安定してるけど面白くない感じ、2つの間の「いい感じ」エリアが狭い。その狭さはフォーマットの小ささからきていると思います。そしてカメラがチープなのでモニターでは確認できない。

ということでネガティブな印象ばかりですが、改造したカメラはシックで、つくりの良いレンズが強調されていい感じです。役に立たないカメラですが、持っていて苦にならない小ささですので、気軽な散歩のおもちゃになっています。

























0 件のコメント:

コメントを投稿