EL-NIKKOR 75mm f4 : 引き伸しレンズで遊ぶ、ニッコールのよくできたテッサー The joys of enlarging lens, Nikkor's well-made Tessar.

引き伸しレンズは、フィルムから拡大プリントするためのプロジェクターレンズで、近距離を基準に平面をほぼ無収差で写せるように設計されている。

この EL-NIKKOR 75mm f4は中判フィルム用の廉価版(1972年発売)で、3群4枚のテッサータイプのレンズ構成である。
(上位版は4群6枚のオルソメター構成をもつ/ニッコールの引き伸ばしレンズまとめ

このレンズをヘリコイドアダプターを介して装着することで、中望遠レンズとして使うことができる。(装着方法など


近距離を基準にした設計だが、遠距離でも描写は良い。細密で色収差も無い。






唯一の欠点はボケ。テッサー構成は、ボケが硬くなりやすい特徴があり、さらに遠距離では球面収差が過剰補正になっているようでバブルボケになる。

口径食は少なく、周辺まで玉ボケの形は良いが、f4と小口径のため大きくはボケない。ただうるさいだけだ。

後ろボケは縁取られたバブルぼけで前ボケはスムーズ。この距離でもまだ過剰補整のようだ。







近づくにつれて、ボケは大きく、スムーズになるが、ボケの硬いテッサーのせいかコントラストがあるとうるさい。コントラストが低い背景で、なおかつクローズアップで撮れば綺麗にボケる。





最後に夜景。光源もきれいに写っている。

バブルボケも綺麗だが、f4の小口径のため、大きくぼかすことは難しい。



引き伸しレンズは小口径で無収差に近いため、撮影していて個性の感じられないものが多いですが、このEL-NIKKOR 75mm f4はボケの硬さが特徴的です。ボケは考慮しなくて良い「引き伸しレンズ」でさらにボケの硬いテッサータイプだからでしょう。

輪郭のあるバブルボケですので、キラキラした感じが出せると綺麗な写真が撮れそうです。
小口径なので大きくボケにくいですが、近距離までよれば大きくボケます。近距離がすごくシャープにうつるレンズですので、ボケをうまく使うと面白いことができそうです。

この引き伸しレンズは小さく、フォーカス用のヘリコイドアダプターと合わせても軽いです。花を大きく撮るのに75mmは使いやすく、気持ち良く撮影できました。




























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