コンパクトカメラの大口径レンズには、改造してデジタルカメラに装着しても相性が悪いものがある。その原因の一つはデジタルセンサー前にあるフィルターの問題だ。「センサースタックの問題」とも言われている。
前回のG. ZUIKO 4.2cm f1.8のデジタル用改造レンズでは、クローズアップフィルターをつけることで像面湾曲という悪影響を改善した。 今回のYASHINON 45mm f1.4もかなり大きな像面湾曲が発生している。これにも対策してみよう。
この45mm f1.4は1965年製 ヤシカ リンクス14 に装着されていたレンズで、コンパクトカメラでもっとも明るい口径比1.4を誇っている。絞りの壊れたジャンクカメラを改造して、ソニーaで使えるようにしたのだが、かなりひどい像面湾曲が発生してしまった。
開放f1.4で隅の「ハナモモ」にフォーカスを合わせると、中央の「ヒュウガミズキ」がボケてしまうくらい像面湾曲している。
このレンズにクローズアップレンズを付けてみる。センサースタック問題の改善には焦点距離1mよりも長いくらいのクロ−ズアップレンズが良いらしいが、フィルターサイズ58mmだとあまり選べない。ここでは一般的な「1m」のクローズアップレンズを用意した。
そのままだと遠距離にはフォーカスしなくなるが、そこは改造レンズ。フォーカス用のヘリコイドアダプターを短いものに交換することで対応した。
焦点距離「1m」のクローズアップレンズをつけて、同じようにとってみる。
像面湾曲は、大きく改善した。まだ少し残っているが、これならだいぶいい。4隅の描写も悪化していないように見える。これならいける気がする。
上の写真はクローズアップレンズで像面湾曲を補正したものと、つけずに素のままとったものを交互に表示している。素のままだと周辺は背景でもフォーカスが合ってしまいせっかくの大口径が活かせない。クローズアップレンズをつけると背景が隅までボケるようになるが、コントラストは少し落ちるようだ。やはりちゃんとしたフードが必要なようだ。
背景がボケるようになったので、作画に活かすことができる。ボケはきれいな感じはしないが、フレアーが2線ボケをなだらかにして、そんなに悪くない。
点光源を取るとコマフレアーが出ていて、これがフレアーがかった描写の原因でもある。少し絞ればくっきりする。オールドレンズによくある、丸いゴーストがおもしろい。
低下したコントラスト対策として、ちゃんとしたフードは必要でしょう。そうすれば、クローズアップレンズはつけっぱなしでいいと思いました。
追記、フードつけました。
それほどちゃんとしたフードではありません。使わなくなったフォーカスリングを流用して作ったので、直径も小さめ、長さも2cmくらいしかありません。でもこれくらいが小さくて使いやすい…絞って撮れば、何の問題もありません。
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