フィルム用のレンズを改造してデジタルカメラで撮影すると、像面湾曲で残念な描写になることがある。像面湾曲はフォーカスが画面全体で均一に合わない症状で、中心と周辺で違う距離にフォーカスが合ってしまう。
その原因の一つは、カメラのイメージセンサーの前にあるフィルターだ。必要な機能のためにフィルターには厚さが必要で、その厚さが光学的に影響する。斜めに入る光を屈折させるため、画面周辺ほど焦点が伸びて、マイナスの像面湾曲が発生するのだ。(デジカメのセンサースタック問題)
デジカメとの相性が悪くて発生する像面湾曲は仕方がないが、裏技の対策方法がある。クローズアップレンズでプラスの像面湾曲を生じさせて、プラスとマイナスで毒を持って毒を制しようという反則技だ。そのままだと近距離専用になるが、もともとが改造レンズ、無限遠が出るようにバックフォーカスを再調整すればいい。
ソニーaはフィルター厚が2mmほどあるらしく、フィルム用コンパクトカメラレンズ、広角30mm以下は相性の悪いものが多い。さらに標準域でも大口径で影響のあるレンズがある。
G.ZUIKO4.2cmは、5群7枚の贅沢な構成を持つ名レンズだ。1963年製オリンパスSCについていたレンズで、デジタル用に改造した。周辺までシャープな像を結ぶが、ソニーa7で撮ると相性が悪く像面湾曲が発生する。まずはこのレンズにクローズアップレンズをつけてみよう。
ネットで他レンズの例を調べてみると、クローズアップレンズは焦点距離1m以上のものが良いらしいが、レンズによってちがうはずだから、何がいいのかわよくわからない。実験してみよう。
フィルター径49mmが良いのだが、52mmのニコン純正No.0(焦点距離1.4m)を用意した。これは昔のズームレンズの遠かった最短撮影距離をカバーする目的で作られたようだ。これをステップアップリングを介して装着する。
G.ZUIKO4.2cmの改造レンズは、m42ヘリコイドアダプター(13-22mm)で撮影できるように調整してある。このヘリコイドアダプターを短くすれば、クローズアップレンズをつけても遠距離撮影できるだろう。
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