バブルボケレンズで無理やりボケさせる。Leica Hektor-p2 85mm f2.8 + tilt adapter : Forcing the bokeh of the bubble bokeh lens to be larger.

 ヘクトール85mm f2.8:ライカ製のスライドプロジェクターをデジカメ用に改造したレンズは面白いけど使いづらい。

一般にトリプレット、3枚3群のレンズ構成のレンズは、点光源がボケたときリング状に縁取りができる「バブルボケ」になりやすく、このヘクトールもボケが独特なのだ。うまく撮るとキレイなのだろうけど普通に撮るとボケた部分がザワザワとうるさくなってしまう。

 背景があまりにうるさかったため、f4の固定絞りを装着したこともある。(作例) 一つ絞ると落ち着いて普通に映る。しかし面白味も減る。なんで改造してまでプロジェクター用のレンズをつかっているのか、となる。

しぼらないで、もっとボケを積極的に使う方法を考えてみた。このレンズはトリプレットだからイメージサークルは広いはず、ということでチルトさせて主題の周りを強制的にボカしたらどうだろうか。ということでレンズを傾けられるギミックを入れて鏡胴をつくってみた。


制作は3Dプリンター。プロジェクターレンズのマウントのない筒を差し込んで、反対側にM42マウントを付ける。途中で一方向に曲がるだけにしたので、遮光だけ気を使えば構造は難しくない。いつもより大物なので、プリントには時間がかかった。

プロジェクターレンズはフォーカス機構がないのでヘリコイドアダプター(25mm-55mm)を使用している。チルト軸はレンズ主点に置くと、チルトによる歪みが最小になるのだが、そこまでイメージサークルは広くない。バランスを取ってカメラセンサーとの中間(より少しレンズ側)にチルト軸を設定した。
絞りはすべて開放f2.8(絞りはないため) 中距離だと大きくはボケず、しかもざわつく。

チルトして中央部だけにフォーカスする。少し歪むが大きくぼかす事ができる。大きくボケてもざわつくのは同様で、被写体を選ぶ。


クローズアップだと、ボケは少し柔らかくなる。バブルボケは、これ以上大きくするのは難しい気がする。


遠景でチルトすると、「ミニチュアのジオラマ」感がでた。




最後は通常撮影。やはりボケがむずかしい…

85mm開放f2.8だと大きくはボケません。ですのでチルトでぼかすのは効果的です。
その一方で、大きくボケてもバブルボケ=2線ボケであることは変わらず、背景を選びます。
まだ使いこなしていませんが、個性的な表現はできますので、遊びの幅は広がります。
そのうち、自慢できるような写真をお見せしたいなあ、とは思います。












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