1965年製のヤシカ リンクス14は、35mmコンパクトカメラ用としては最も明るいf1.4のレンズを搭載している。フィルム感度が暗く電気式のフラッシュライトがなかった1960年代は、明るいハイスピードレンズが屋内撮影には必須だった。
この前のモデルのリンクス1000は1/1000秒シャッターを特徴とした高性能機で、45mmf1.8のレンズを装着。そのレンズはズノー光学製と富岡光学製、スペックは同一だけどなぜか2種類の違う仕様があり、良い写りだがそれぞれ個性的だった(作例)。その後1961年ズノー光学は倒産し、ヤシカに吸収された。
その後継機であるリンクス14は他にはない大口径レンズを特徴にしている。このヤシノン45mm f1.4は口径が大きく、レンズシャッターの配置が苦しくなって、高速のものが使えなくなった。(最速1/500秒) それでもシャッターの口径を通すのに苦労しているようで、 前玉は直径40mmもあるガラスの塊でズシリと重い。そんなリンクス14 のジャンクを手に入れることができた。
ジャンクである一番の重傷は絞り羽根が外れていること。まあ分解してミラーレス用に改造してしまいましょう。
レンズシャッター機のレンズを外すには、ボディの張革をはがしてレンズボードを外し、次にレンズボードの裏側からレンズを留めているリングを外す。これが固着してはずれない。インパクトを加えて外したのだが、パーツも割れてしまった。雑すぎた。気を付けよう。
しかも絞り羽根は軸がとれていて復活できず、代わりにレンズシャッターを絞りとして代用する。奥の手ですね。
鏡胴と絞りリングを3Dプリンターで製作。フォーカスはM42ヘリコイドリングを使う。(オリジナルだと近くに寄れなくて使いにくい)
絞りリングはレンズシャッターの羽根をを動かすので、ストロークは短い。でもまあ問題ない。
さあ、実写してみよう。
開放で遠景を撮ると像面湾曲があり、4隅の画像は怪しくなる。デジタルカメラのセンサー前にある赤外線フィルターの影響でも同様の像面湾曲は生じるが、今まで標準レンズで顕著になったことはないので、これはレンズの性能か。
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