たぶん、史上2番目に小さいニッコール、1958年製8mmフィルムカメラ用のシネマレンズ、CINE-NIKKOR 13mm f1.9 である。
おそらく一番小さいニッコールはこのレンズの前、1956年の同スペックのレンズ。前期型は4群4枚の構成だったが、少し大きくなった後期型は前側2枚が貼り合わせているようで、3群4枚に見える。いずれも前側2枚+後ろ側2枚の組み合わせからなるペッツバール変形型のレンズ構成である。
写真工業の記事によれば、(http://nikonfan.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/8_1ebc.html)フランジバックを長くするために後ろ側のレンズ構成を、前側の対象型にしているとのこと。
とはいってもフランジバックの短い8mmフィルム シネカメラ用のDマウントレンズなので、(ペンタックスQ以外の)ミラーレスに装着するのは苦労する。
このニッコールはとても小さいので、(ちょっとアクロバチックにはなるが)ニコン1ならばボディ内に潜り込ませられる。Dマウント金具を外して、ボディ内に潜り込ませるようなアダプターを製作した。ニコン1は電子シャッターなのでシャッター幕の事故はおきないから安心だ。
レンズのDマウントを外して、M42マウントを潜り込ませてつける。ボディにはM42-NIKON1薄型マウントアダプターで装着する。
やはりNIKON1につけるのは苦労した。
さて、本来の8mm(4.4mm×3.3mm)フォーマットに対して圧倒的に大きなニコン1の1インチ(13.2mm×8.8mm)フォーマット、どう写るだろうか。
当たり前だが、8mmフォーマットの範囲外は流れ気味で、フレアも出ている。
スクエアフォーマットにしてみる。これでも結構、蹴られる。開放f1.9では、全体にフレアがかり、非点収差によるグルグルボケが発生している。
一段(f2.8)しぼるとフレアも、グルグルボケも弱まり、描写がしっかりとしてくる。
夜の撮影。開放f1.9、ISO3200(ニコン1J1では限界で、ノイズが発生する)
周囲の蹴られが、良い雰囲気をつくっている。
光源が写ると、フレアっぽい収差がよくわかる。
近距離だとちょっとグルグルする感じ。
近距離は良く写るいっぽう、遠景になってくるとあまりシャープではない。
近くのものは良く写るので、蹴られを効果的に使えれば面白い写真が撮れる。
この8mmシネマ用のニッコール、やはりさすがニッコールという感じで良く写るレンズという印象です。
今2021年後半におけるニコンミュージアムの企画が、ちょうどシネ・ニッコールなので見に行きたくなりました。
ニコンミュージアムに行ってきました。
品川から出張するときに、時間をつくってみてきました。
文字を複写すると、8mmフォーマットの範囲がよく写っている。
最初の13mm f1.9と対面。
そして、撮影しているカメラ、J1とも対面。
貴重なものが見れましたが、もっと深い展示内容がいいな。
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