オールドレンズ ファン憧れのブランド、ズノー。そのレンズは貴重品で高価だけど、ネットで見る写真の描写は独特な妖しさがあってとても魅力的なのだ。なんとかして、ジャンクでいいので安く手に入れたい。とずっと思っていた。
その方法の一つは、ズノーと書いていない「OEM製の隠れズノー」だが、もう一つは他のカメラに転用の難しいDマウントの8mmシネレンズだ。その中でもヤシカ 8mmシネカメラの普及レンズだった「13mm f1.9」は生産数も多いため安く手に入れることができる。私もジャンクカメラについている状態で安く手に入れられた。
さてこのDマウントレンズ、フランジバック12.3mmで、ニコン1(17mm)ソニーE(18mm )に対して短く、マウントアダプターが存在しないが何とかしてニコン1に装着してみよう。
はじめ、苦労してD‐NIKON1マウントアダプターを作ってみたが、スペースが足りなくて構造体にならない。センサー前のスペースが足りなくて、Dマウントを保持できないのだ。しかし、レンズ単体ならスペース的に成り立ちそう。そこでDマウントはあきらめて、レンズの鏡胴を直接つかむ専用アダプターを作ってみた。
レンズのフォーカスリングは使えなくなるので、つかんでいる部品ごと回転ヘリコイドでフォーカスを合わせる構造、これで無限遠をだすことができる。
ジャンクなのはレンズも同様で、真鍮鏡胴は緑青さびがでている。ここに光が乱反射しそうだし、レンズ自体にもすこし曇りがある。実写ではフレアがでそうだ。マウント面からはこれだけはみ出す。内部干渉が心配になるが、ニコン1のうりは電子シャッターなので、装着できてしまえば問題ない。
さあ撮影だが、ニコン1のセンサーサイズは13.2×8.8mm。8mmシネのサイズは4.5×3.3mmだ。圧倒的に大きなセンサーに対して、どう写るのか。
周辺が蹴られるのは当たり前だが、思ったよりもイメージサークルは大きい。真ん中の四角が8mmシネマの範囲だが、周辺に余裕がありイメージサークルは広い。これが良い描写を生み出しているのだろうか。
左右を切ってスクエアフォーマットにしてみる。
曇りがあるので予想通りフレアがかるが、立体感のある良い描写だ。3群4枚のペッツバール レンズ構成だが非点収差も少なめでグルグルボケも極端ではない。
これは開放f1.9。当たり前だが8mmの範囲外になる周辺は結像しない。背景はエッジが溶けていてきれいにボケている。
その一方でコマ収差は大きめで、コマフレアーもかなりあるのだろう。
f5.6に絞れば、1インチのスクエアフォーマットなら周辺までそこそこ写る。遠景は解像力が不足気味な気がするが、撮っていてどこにフォーカスがあるかわからないので、アウトフォーカスが原因かもしれない。よくみると人物あたりにフォーカスがきていて、遠景は少しボケているようだ。13mmだが、被写界深度は思ったよりも浅い。
f4に絞っている。ちょっとしたグルグルボケが画面に動きを生み出して、ラムちゃんやアトムがいきいきと写る。上品さと妖しさが両立していて、とてもいい感じだ。中近距離の撮影は楽しめる。
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