110ポケットカメラは独特な形をしている。だいたい上下に薄い直方体だ。
分解してみると上下のフレームに挟まれて、メカが整然と並んでて製造しやすそうだ。その反面無駄なスペースもあるようにみえる。もともと小さい110フィルムとレンズなので、体積を無理に小さくするよりも薄く作る方に重きを置いたのだろう。薄く作るからポケットに入りやすい、というコンセプトだ。
その一方でカメラらしくなく、安っぽい気がする。さすがに高級機はそれほどでもないが、i一般的な普及機はとにかくチープに見えるのだ。
さてそんな議論があったのかどうか、ポケットフジカは1977年モデルから薄型デザインをやめて、通常のカメラのようなデザインにしてきた。
そうしてもう一つ、通常のコンパクトカメラと同じように(記念写真の撮りやすい)準広角レンズを装着した。110フィルムは小さいことから画質が悪く、しかもひどいレンズも多かったから写りは本当に悪かった。そんなカメラで引きで撮ったら、何が写っているかわからない。だから110フィルムのカメラはちょっと長めの標準レンズ付きで、被写体を大きく写すようになっている。でもフジカは良いレンズを使うことで引きでも良く写ることを考えたのだろう。
このレンズは3群4枚のテッサータイプ。準広角20mm f4のスペックを持つ。広角の少ない110カメラの中では貴重で、これより短い110用レンズはペンタックス オート110用の18mmしか存在しない(あと、Lomographyなどのトイカメラ、フィルム付きレンズなどはある)
フジ(製造はセディック)の気合の入ったこのレンズ、大量にある手に入れやすいカメラだが、どのように写るのか。改造してデジタル(フォーマットサイズが同じマイクロ43)につけてみよう。まずは開放で撮ってみる。
近距離はとても良い。植物がいきいきしている。
中距離では4隅が甘い。左は片ボケしている(これは改造の加工精度かもしれない)
自分のせいかもしれないが、少し絞った方がよさそうだ。f5.6前絞りでレンズ改造は完成。
20mmだから直径4mm弱のレンズになる。
形はビスケット状でコンパクトで軽い。ベースとなったCマウントアダプターがのっぺりと目立つが、持っていて軽いのはうれしい。
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