コダックのエクターは特別なレンズ・ブランドである。プロ向けのレンズのみに付けられる名前で、極めて高い評価を持つ。コダックの一般向けカメラのレンズは、性能の割り切りが激しく残念なモノが多いが、EKTARだけは特別だ。
コダックは終わってしまったメーカーだが、膨大な数のカメラを生み出してきた。オークションではほとんどがタダ同然だが、EKTARがついていると値段が跳ね上がる。110フィルムを使うポケット・インスタマチック50/60を除いては…。
ポケット・インスタマチック60は優秀なレンジファインダー付き。ポケットカメラでは高級機だったがレンズスペックは平凡で、テッサー型3群4枚の26mmレンズはf2.7とたいして明るくもない。今となっては目立たない存在だが、カメラに書いてあるブランドはEKTARだ。きっと期待できる。
ポケットカメラ独特のデザインは、分解してレンズを取り出そうとしても構造が良くわからない。慣れなくて苦労して、破壊的分解になってしまった。シャッターも絞りもレンズも前側に配置されている。(ポケットカメラでは一般的)
取り出したレンズにも可動式の前側絞り(f5.6相当)を付けて、ヘリコイドアダプターに装着する。フォーカシングはヘリコイドアダプターで行う。
カメラは110フィルムと同じ大きさのセンサーを持つマイクロ43のGM1に装着。
コンパクトなGMG1には外径がすこし大きいが、前絞りが良い感じのアクセントになった。これで出かけてみよう。
絞って(f5.6)遠景描写は問題ない。ちょっと前ピンか。それでも110フイルムではこんなに写らなかったと思う。
仕様以上のクローズアップでも良く写っている。ミツバチの頭に花粉がついている。
ヘリコイドアダプターなので、けっこう寄ることができる。シャープで立体感があってよい印象。ボケの形は周辺まで乱れないのは優秀だが、すこしざらつく。
f5.6に絞ってみる。描写はさらにシャープになったが、ボケはやはりざらつく。
シャープで、立体感が素晴らしい。デジタルの解像度に充分に対応している。さすがコダックの本気印、エクターだとおもった。
本当にこのレンズ、いいですよ。
こちらに、ポケットカメラ(110フィルムカメラ)の高性能高級機についてまとめました。
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