CANON 110ED 明るく元気なレンズ。CANON LENS 26mm f2.0

 

CANON110EDの大口径レンズ(26mm f2.0)をパナソニックGM1に装着する。

1972年コダックは、取り扱いが簡単でポケットにはいる新フィルム・カメラシリーズを発表した。そしてそのポケットインスタマチック(10~60のシリーズ)は大ヒットし、いくつかのメーカーが追従することになった。

 1975年発売のCANON110Eと110EDは、キヤノン初の110フィルムカメラだ。そしてそのスペックは、コダックのインスタマチックの高級機50と60に影響されている。CANON110Eは26mmf2.7のレンズがついているがその中途半端なレンズの明るさまでインスタマチック50と全く同じスペックである。上級の110EDはレンジファインダー付きのインスタマチック60がターゲット。こちらは同じスペックに追加してf2.0の明るいレンズを搭載して差を付けた。これで価格はコダックに比べて1万円以上安かったのだからコダックに対する競争力は十分だと考えたのだろう。



しかし70年代後半になると、画質に有利な35mmフィルム・コンパクトカメラの小型高性能化がすすみ、110フィルム自体の競争力がなくなってきてしまう。CANON110ED20にマイナーチェンジをした後は後継機もなく、キヤノン110フィルムカメラは終了することになる。

今回はそんなちょっと不純な企画から生まれたCANON 110EDのf2大口径レンズを改造して、デジタルカメラにつけてその写りがどうだったのか見てみる。








分解して、レンズユニットを外してみると、フォーカス用のヘリコイドはそのまま使うのは難しい構造だ。ヘリコイドアダプターを使用してフォーカシングすることにしする。

絞りは、もともとレンズ前につくレイアウトだった。焦点距離が短くバックフォーカスのスペースがちいさな110フィルムカメラは、絞りがレンズの前側にくるように設計することが多いようだ。前絞りはテレセントリック性が良くなる(センサーの描写が安定する)ので改造にはウェルカムである。工作もしやすいので、で絞り付きの鏡胴をデザインして、3Dプリントした。

110フィルムとサイズがおなじマイクロ43のミラーレスカメラ(パナソニックGM1)につけて、写りを見てみる。

絞りは開放f2に対して、f6.7とf2.8 レバーを動かすと絞りが出てきます。f2.8はボケで遊べるようにギザギザ絞りにしてみました。

ちなみに35mmフルサイズで撮ってみると








やはり110サイズ(=マイクロ43)分のイメージサークルしかありません。


ギザギザ絞りで撮ってます。柔らかいボケと変な光芒がでます。


開放絞り。電子シャッターカメラは、高速シャッターが切れるので開放で使いやすい。
描写が明るくて発色のいいレンズで、いかにもキヤノンらしい。個性が良い方向にでていると思う。














遠景、近景ともに、画面の隅まできれいな発色で写って素晴らしい。4群5枚のレンズ構成でキヤノンの力作だとおもう。

現在はフィルムが少ないこともあって、あまり注目のされない110ポケットカメラですが、良いレンズありますね。


こちらに、ポケットカメラ(110フィルムカメラ)の高性能高級機についてまとめました。




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