The petzval lens! ペッツバールレンズ、CINE-T. ARCO 38mm f1.4 のグルグル世界

 1959年製のシネレンズ。小さなダブル8規格では標準レンズが13mmなので、38mmは本格的な望遠となる。

ムービー撮影は秒間コマ数が決まっているので、暗くてもスローシャッターが使えない。そのため明るいレンズに需要があり、このレンズもf1.4の大口径だ。もう一つの特徴はレンズ構成。シンプルな、2群4枚のペッツバール型なのだ。このタイプは画角が狭いときは明るく優秀な構成だが、画角が広くなると像面湾曲で周辺がボケる。しかもそれが非点収差で回りだす、という楽しそうな特徴になる。楽しみだ。

ダブル8規格はフィルムサイズが3.3×4.5mmだが、38mmの望遠は16ミリフィルム規格(7×10mmくらい)設計をすることが多いらしい。それを期待してさらに大きなマイクロフォーサーズ(13×17.2mm)に装着する。それでも本来の画角よりも大幅に広い画角なので、どのように写るだろうか。(写らないか)


とはいえ、装着するのは簡単ではない。

もともとDマウントが装着されているが、フランジバックが12.3mmと短すぎてマイクロフォーサーズには付けられない。レンズのバックフォーカスには5mmほど余裕があるので、Cマウントに改造できればいいのだが、レンズ径が太すぎて、マイクロフォーサーズのCマウントアダプターにはいらない。仕方ないので薄型M42マウントアダプターを使って改造することにする。

レンズからマウント、フォーカスストッパーリングを外してしまう。代わりにM42ねじのついたパーツを製作、組付ける。フォーカスにストッパーがなくなると、無限遠調整ができなくなるが、ミラーレスカメラだから、ちょっとオーバーインフにしておけばいいだろう。




まずは撮ってみる。どのくらい写るのか。



やはりフォーサーズ全体は写らないで、周辺は蹴られる。スクエアフォーマットにしてみよう。






ペッツバール型ならでは。グルグル回ります
フォーカスから少しずれた前後が、非点収差で回るようだ。おもしろい。
いっぽう、色収差はとてもよく補正されていて、遠近ともに色ずれはない。花の写真はとてもきれいだ。

とにかく鮮明に写るのは中心だけなので。主題を中心に大きくとらえると素敵な写真になりそうだ。




















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