わずか、2群2枚!の26mmレンズは写るのか。 45CAMERA Basic mini ( Fujifilm smart shot plus, Konica pocket shot) FUJINON 26mm f8




2002年製、21世紀のカメラだ。
フジフイルムのOEMモデルで Fujifilm smart shot plus が本家、さらに Konica pocket shot がOEM兄弟となる。

これは使い切りカメラ、フジフイルム「写ルンです」をベースにしたフイルム交換版、超低価格モデル。それでも「写ルンです」の単玉レンズに対して、26mmf8、2群2枚にグレードアップしている。

1986年に発売された「写ルンです」の衝撃はすごかった
フイルム交換のできない使い捨てカメラ。高価だったカメラの価値が、とうとうゼロにまで下られたのだ。
割り切った機能は、固定焦点・固定露出・1枚だけの単玉レンズで、そこそこ/それなりで、けしてシャープな写りではなかったが、人間の記録/記憶にはそれでもいい、と気づいたことも大きかったと思う。

「写ルンです」はレンズ付きフイルムで使い捨てだったが、この「45カメラ」は、カメラとフイルムが付いたフイルム現像/プリントサービスである。会員登録でカメラがもらえて、プリントショップで現像同時プリントを頼むと、またフイルムがまたもらえるサービスをしていた。
フジフイルムが上流からの統合サービスだったのに対して、下流からの統合サービスは画期的だ。でも技術革新には後手になり、もう、このサービスはない。(「写ルンです」はまだまだ現役)

さてジャンクのこのカメラ、電池の液漏れで塗装が溶けて謎のマーブル模様になっているが、つくりは合理的で洗練されている。メカニカルシャッターはちゃんと動いていた。

これがタダである。ジャンクなのにタダのカメラを300円で買ってしまった。
1960年に月給とほぼ同じだった「大衆機」とよばれたコンパクトカメラの価格は、40年かけて下がりつづけ、ついに「0円」になったと思うと感慨深い。
そしてその間、レンズ性能は進化していない。フイルム性能と生産技術の向上に助けられながら、40年間コストダウンし続けた。

さてこのレンズ、固定焦点なのでパンフォーカスになるようにf8と暗いが、26mmの超広角だ。このレンズがなんと2枚しか使っていない構成なのだ。プラスチックモールドの非球面レンズで、凹凸のレトロフォーカスのようだ。28mm以下はデジタル相性が悪いことが多いが、レトロフォーカスなら悪くないかもしれない。


これは2群2枚のレンズを使った高級「写ルンです・エクセレント」のレンズ構成。これは33mmなので焦点距離は違うが、見ると同じような構成をしている。



26mm f8のレンズ径は小さい。これ以上絞らないで開放でいこう。
これをヘリコイドアダプターに装着する。今回は径が小さい、RMSマウントアダプターにスペーサーを挟んでレンズユニットを装着した。
小さい…これで写るかなあ?…




中心部は思ったよりもシャープだ。周辺部は予想通り像が流れる。中間画角は結像はしているが解像感はいまいちだ。歪曲収差も結構あるが、広角の樽型はそれほど気にならない。

とはいえ2群2枚(というスペックにしては)、良く写っている。
ちなみに3群3枚のレンズ、ミノルタ製28mm、f8だとこんな感じ。中心から中間画角までは互角。周辺部にはレンズ1枚分の差がある。


あたりまえだが、どちらも一眼レフ用のレンズには全くかなわない。雰囲気を楽しむレンズだ。さあ、楽しんでみましょう。




ヘリコイドアダプターにつけたから、15㎝くらいまで寄れて楽しい。

周辺減光と、色かぶり。他の28mm級改造レンズと比べれば、軽い方。レトロフォーカス気味のレンズ構成が効いている。これくらいなら、レンズ補正アプリで修正できそう。




印象としてに、色がきれいにでている。でも周辺の流れは気になる。
楽しいシーンを気楽に撮るといい感じになるかな。

追記です。
ちっちゃいハチがいます。広角で寄るのは楽しい。



カメラアプリで補正したら、色かぶりも周辺減光も気にならなくなった。





















「写ルンです」で撮ったことを思い出して、ピンボケの写真も悪くないなあ、と新たに思いました。このようなプリミティブなレンズを使うと、本質を考えるようになるのがいいですね。





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