欠点は、明るくすると破綻するので大口径が作れないこと。小口径なのに張り合わせが2郡あって高価、というのが流行らなかった原因なのだろう。
そんな3群5枚構成のヘリアーだが、希少なこともあって有名どころは中古でも高価だ。
でも、さがせばジャンクで安いものもある
そんなものばかり集めている。
ちょうど40mmから100mmまで4本そろったので、まとめて見てみようと思う。ヘリアーというオールドレンズの魅力が浮き上がってくるかもしれない。
smc PENTAX-M MACRO 100mm f4
ペンタックスの100mm f4マクロはみな同じヘリアー構成らしい。最初は「ユニバーサル」という名前で万能性をうたっていた。遠距離から近距離まで安定した性能が得られていたのだろう。しかし現在は、残念ながらレンズが曇っていて、ジャンク扱いのものばかりだ。ヘリアーのもつ曲率のある2つのレンズ貼り合わせが原因なのだろう。
開放の描写は素直。ボケも悪くない。
近距離で、f8に絞ったもの。ボケはざわざわしている
レンズの曇りのせいで、抜けの良さはない。
さすがマクロレンズで、近距離の写りはすばらしい。
レンズの曇りがあるせいで、逆光だとフレアーがかることになる。やはりざわつくボケは気になる
VOIGTLANDER COLOR-HELIAR 75㎜f2.5
フォクトレンダー カラーヘリアー 75mm f2.5 1999年製、現代のヘリアーだ。
これはジャンクではなく、ちゃんとした中古として買った。私にしては高い買い物だが、ライカマウントのなかでは安く売られているものの一つ。コンパクトだけどすごく良く写る。
わずかに色収差があるが、とてもシャープでボケも安定している。抜けも良い。安定感ある写りは現代的でとてもいいレンズだ。でレンズ構成は5群6枚…?おや?
構成図を探してみると
これはヘリアーではない… 変形ダブルガウスだ ブランドを持っている本家が、いい加減な名前の使い方をしていたとは… なんてこった、
今までだまされていた!
ちなみに2010年発売のヘリアー75mm f1.8 はちゃんとしたヘリアーなようです。
TOMINOR 50mm f2.8
1955年製のカメラ、ROYAL 35についているレンズ。レンズはカメラから外せるので、マウントを工夫してSONY a7に装着する。
トプコンの技術者だった人が創立した富田光学工業製。正統派ヘリアーだが、これも曇りが発生している。ふき傷も多く、逆光ではフレアーだらけになる。
レンズ性能とは関係ないが、コンディションはよくない。
距離によって、ボケがグルグルするときがある。ぼかしきれないとうるさくなる。
うまくぼかせれば、フレアーの効果もあって、きれいなボケにきまる。
KONICA II B / HEXAR 50mm f2.8
1948年から製造されたレンズ。コーティングも古く逆光に弱いが、中間調も気持ちよく描写されて、ヘリアーらしい、クラシックで「豊かな描写」が感じられる。(作例)
HIGHKOR 4cm f2.8
これも1955年製。セイコーとトプコンの子会社だった岡谷光学機械のLORD IV bのレンズを取り外したもの。上のTOMINORと従弟の関係ともいえる。これも良く写るレンズだ。
このレンズも、後ろ玉の隅にバルサム切れが発生しているが、それでも逆光に強そうです。
よく写っているが、4隅は解像しないで流れてしまう。周辺減光もかなりある。
ボケは安定してきれいな印象です。
遠景の4隅以外は、とてもいいレンズです
さて、ヘリアー型を100mm 50mm 40mmと並べて気づいたところは、
・古いレンズは曇りが発生しやすい。ヘリアーの曲率の大きな貼り合わせが原因?
・描写は柔らかく、それでいて背景から浮き立つ。
・ボケはきれいだけど、距離によってざわついたりグルグルするときもある。
・色がきれい。テッサーなどと比べて、発色は豊かなようです。
・オールドレンズでもあり、味のある、豊かな感じは 確かにしますね
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