ミラーレスと相性が良くて、小さくて、よく写る、35mmレンズを比較!2

ミラーレスカメラと相性のいい(コンパクトカメラから改造した)35mmレンズはどれか。

ソニーa7(初代)を使用しているが、ソニーはセンサー前のフィルターが厚めで、周辺の写りが厳しい傾向がある。ニコンZならば、周辺画質はもっといいはずだ(ほしいなあ)。

前回はベーシックなトリプレット、3群3枚のレンズを比較したが、
今回はレンズ枚数がより多い高級レンズを比較する。



■Tessar 35mmf3.5
まずは、名レンズといわれたツアイス。京セラのコンパクトカメラから外したテッサー35mmf3.5(3群4枚のレンズ構成)から見てみよう。


京セラTD(1986年)から外したテッサーは、ロシアレンズの鏡胴に入れた。これでフォーカスと絞りが使用できる。絞りはf6.7でテストする。



さすがツアイスで、抜けの良い立体感あるシャープな写りをする。だけど、デジタルとの相性が悪いのだろう。周辺減光、色被り、ながれ、があって周辺はかなり苦しい。APSならば問題ないのだが。



■Minotar 35mm f2.8

これも名機、ミノックス35(1974年)のレンズ。Minotar 35mmf2.8も3群4枚のテッサータイプだ。

もともと絞りリングがあるので、それを活かして改造。2枚絞りで形はいびつ。他のレンズ同様にf6.7に絞る。

なかなか無難に写っている。

広角なので開放でもあまりボケないが、かなりのシャボンボケだ。



■ZUIKO 35mm f3.5
グッドデザイン賞大賞をとったオリンパスXA2(1981年)。このレンズは4枚4群でテッサーではない。トリプレットの後ろに大きな曲率を持った凹レンズを配置して、全長を短くしている。他と比べて5mmくらい全長が短い。デザイン優先で、小さなカプセルデザインに収めるためだ。


カメラを分解して、レンズをとりだす。ヘリコイドと絞りはいかして、レンズ鏡胴はプラバンを重ねて作ってみた。とても苦労したけど、仕上がりは微妙。

周辺減光、色かぶりがひどい。デジタル以前の設計では、レンズ全長を小さくすると周辺の光が斜めにセンサーに入るようになるため、周辺の写りが極端に悪くなる。

絞れば、シャープだけど色被りは気になる。




■ NIKON LENS 35mmf2.8

ニコン ピカイチ(L35AF:1983年)は、4群5枚のゾナー タイプのレンズを持つ。高級仕様になったのは、ニコンのこだわりか、初めてのAFコンパクトで、不器用だったのか。このあとのピカイチシリーズは、3群4枚のテッサータイプに変更になる(これらの写りも評判がいい)。
 写りに期待して、分解したレンズをロシアレンズの鏡胴に組み込んでみた。ビハインドシャッターのカメラは、分解すると絞りが操作できなくなるが、絞り付きの鏡胴に組み込むことで、使いやすくなる。

シャープで気持ちいいのだけど、周辺が甘くなる。色被り、減光もある。やはりこのレンズはデジタルとの相性が良くない。



■YAHINON 35mmf1.8


















ヤシカ エレクトロ35㏄n(1973年)一番古いカメラだけど、いちばんコストがかかっている。レンズは明るいf1.8で4群6枚のガウスタイプ。
このレンズの欠点は、絞りが2枚で、すごく変な形になること。Mマウント改造においては、絞りを削る、という方法で改善を試みた




 



写りはすごくいい。これは、ちゃんとしたレンジファインダーのレンズで、コンパクトカメラとはレベルがちがう。ほかに比べればレンズは大きいけど、それでも十分に小さいともいえる。

さて、次回はコンパクトカメラを改造した35mmレンズのまとめです。










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