良い雰囲気が写りそう KODAK INSTAMATIC 204 : The lens to obtain good mood photos.

 

KODAK INSTAMATIC 204(1966年発売)


1963年に始まったコダック インスタマチック シリーズ。シンプルな構造で現地生産していたこともあってモデル数はなんと100を超える。「204」は第2世代イギリス製ヨーロッパ向け中級機になる。


KODAR LENS 41mm f6.6

特徴は3枚構成の41mm f6.6 トリプレットレンズ。ゾーンフォーカス、可変絞り。インスタマチックは固定焦点が多いが、これはマニュアルのゾーンフォーカス。その分レンズはf6.6と少しだけ明るくなっている。

奥のモデルは1枚レンズのINSTAMATIC 133X

第一印象は、ボディが厚くヤボったいと思った。

インスタマチックは、1枚レンズのモデルは良いプロポーションだがこれは3枚レンズ、その分ボディが厚くなってしまった。安っぽいプラスチックボディと、マニュアルフォーカス/露出の複雑な操作性もアンバランスだ。


購入したジャンクは、フォーカス/絞りの操作部が壊れている。プラスチック成形のボディは、機構構造を一体化できる長所があるが、壊れると治しにくい。

分解してレンズを取り出す。さあレンズ改造だ。

レンズはアクリルプラスチック製で中間に絞りが入る。1、2枚目のレンズは組み合わせられるように成形してある。スペーサが斜面になっていて前玉回転のフォーカスヘリコイドになっているのが面白い。



前玉回転のフォーカスは、近距離で画質が低下する。改造では前玉回転は無限遠に固定し、ヘリコイド内蔵の中間リングを使って全群フォーカスにする。

3Dプリンターで鏡胴を作る。絞りはターレット絞りに置き換えることにする。もともと2枚絞りで歪な四角形だが、ターレットなら円形絞りができる。

もともとの204には固定絞りがあり、f6.6からのスタートだった。改造ではもう少し絞りを開けてf5.6からf8、f11、f16、f22にした。

左上のノブ上の部分で、ターレット絞りを直接回すデザイン。フォーカスはヘリコイド中間リング(13-22mm)でおこなう。


インスタマチックは26×26mmの正方形フォーマットだが、少し大きな35mmフルサイズで撮ってみよう。

f5.6 もともとのカメラよりも半絞り開いている。中心のみシャープで周辺はボケ、減光。

f8 まだ周辺は安定しない。(f11でも、少し良くなるだけ)

f16 まで絞って、ようやく画面全体が安定し始める。(f22だとより安定するが小絞りすぎてシャープさが落ちる)
総じて周辺部の写りは期待できないようだ。






絞りを開くと、フルサイズの4隅が減光する。f5.6では滲みのある柔らかい写り。


インスタマチックというと正方形で撮りたくなる。
正方形フォーマットなら、主題を中央に配置しやすく、周辺のゆるさも気にならない。







フルサイズフォーマットでは、周辺減光と緩さが目立つ。うまくいかせれば、主題に視線を誘導することができる。





ちょっと緩い描写と周辺減光は、写真にノスタルジックな雰囲気もつくってくれる。



インスタマチックより大きな35mmフルサイズでの撮影は、適度な周辺減光がいい味をだして、ノスタルジックな雰囲気のある描写です。

中心部分はそこそこ写りますが、周辺部の描写はゆるい描写になります。ですが、日の丸構図的に撮ればそんなに問題になりません。

欠点は逆光です。古いアクリルレンズはコーティングが無く、フレアは出やすいです。曇りも少しあって、少しの逆光でも盛大に影響を受けました。今回はフードを作らなかったので、ハレギリしながらの撮影でした。


ところでこのKODAR LENS 41mm f6.6ですが、INSTAMATIC 300の41mm f8と同じ設計に見えます。同じレンズで、ゾーンフォーカスのINSTAMATIC 204は少し明るく可変絞りで、固定焦点の300はパンフォーカスのためにf8固定絞りにしているようです。

















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