MAMIYA SEKOR E 50㎜ f1.7 メリハリと綺麗なボケのハーモニー/Beautiful harmony of high contrast and smooth bokeh.

 マミヤはカメラの開発で、マウントを変更することに躊躇しなかった。それによってユーザーから「サービスの継続性」という信頼は得られなかったが、新技術への挑戦という姿勢は得られていたと思う。

1980年の35㎜フィルムの一眼レフ、ZEシリーズでも、2年間しか使用しなかったCSマウントを潔くやめ、その名も「ミラクルマウント」を開発した。オートフォーカスになる前の時代に、絞りまで含めて電子制御とした先進的な仕様だ。のちのオートフォーカスの時代(1985年~)の先取りであり、たぶん他メーカーも参考にしたのではないだろうか。


ZEシリーズは失敗したカメラで、結果マミヤは一度倒産することになる。しかし、ミラクルマウントの先進性は、得意とする中判カメラのマウントで活かされた。デジタルの時代になってもしぶとく生き残り、PHASE ONEシステムとして最近まで存在していた。

そんな、マミヤZEシリーズ用「ミラクルマウント」Eレンズを体験してみる。レンズは最も手に入りやすい50mm f1.7 5群6枚 ガウスタイプ構成である。


マウントアダプターはない、と思っていたが、探すと存在するようだ。とはいえ高価なので自分で作る。


電子制御のマウントで、レンズの絞りリングは単なる電気スイッチでしかない。

つまり、絞りリングでは絞りの操作はできない。ただし自動絞りはボディから動かすので、マウントにある自動絞りレバーをうごかせば絞りを変えることができる。

マウントアダプターには、絞りレバーを動かすギミック(操作リング)をいれて製作した。


この絞りレバーのバネが結構つよく、開放で固定しにくい。操作リングに後加工して、ボールクリックを入れた。うまく絞り操作ができるようになったが、仕上がりはあまりきれいではない。3Dプリンターの仕上がりが綺麗ではないのは、メンテが必要なのだと思う。3年使ったプリンターはそろそろ寿命かもしれない。



マウントアダプターはヘリコイドリングと合わせて使うようにしたので、近接撮影には強くなった。(レンズの最短撮影距離は0.45mなので、通常撮影では問題ない)







f1.7開放絞りで、コントラストが高いメリハリのある描写。このメリハリがマミヤ セコールらしさだと思う。ボケも前後ともスムーズできれいだ。このコントラストとスムーズなボケが、美しさを創っている。水滴のついた花びらが艶めかしい。
被写界深度は後ろ側がとくに浅いようだ。


f4に絞る。写真としては、被写界深度はこのくらいあったほうがよい。解像力もぐっと向上している。
ボケもきれいだが、水滴の点光源が6角形(絞り形状)になった。


ボケのチェック。点光源は前側は極めてスムーズ。後ろ側はボケのエッジと中心部が明るい。いわゆる(球面収差の)完全補正型だとおもう。エッジのキラキラひかるバブルボケでありながらボケ自体はスムーズだ。画面全体で均一な感じで、グルグルもしていない。よくできている。




夜の公園で。いつもの虎とパンダが隔離されてしまった。古いものは消え去る運命なのか。





シャープでメリハリのあるコントラストが気持ちよく、ボケもスムーズ、キラキラ光るバブルボケのアクセント、画面全体に均質。
バランスがよく、よくできたレンズだと思う。

ボケまでコントラストがあるのに、スムーズ。フォーカス部の立体感と質感。クオリティの中に個性を感じて、それがマミヤ セコールらしい魅力的なところだ。セコールは好きなレンズだが、そのなかでも この50mm f1.7はレベルの高さを感じた。















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