引き伸しレンズは多くの種類があるが、これは最も人気があるものの一つ、EL-NIKKORの 63mm。理由は解像力が極めて高いということだ。新旧あるが、旧型がf3.5。新型になってマルチコート/カラー対応でf2.8になった。中古では伝説のあるらしいf3.5の旧型の方が人気がある。
高性能なEL-NIKKORシリーズの中でも63mmは、最も解像力の必要なマイクロフィルムを対象にしているため、高解像を目標にして創られているらしい。それはレンズ構成にも表れていて、解像力に優れているクセノター構成(その変形型、いわゆるエルニッコールタイプ)を新旧継続して採用している。
肉厚レンズで骨太な構成は、よく写る予感がする。この伝説のレンズをソニーa7に装着する。
引き伸しレンズのフランジバックはレンズごとに違うが、これは55mmということだ。無限遠に対応するm 42ヘリコイド中間リングの組み合わせは、7mmの中間リング、25ー52mmのヘリコイドリング 1mm厚のEマウントm 42アダプターの組み合わせで、4mmほどのオーバーインフになった。注意点は、中間リングの内面反射があること。内側にモルトプレーンを貼って対応しておく。
これで撮影してみよう。まずは、噂の解像力チェックから。
中央部は問題ないので右上隅を拡大する。
f2.8開放から、4隅とは思えないほど解像している。
f5.6
これで4隅。f8だと完全に解像していて、a7の2400万画素ではこれ以上はわからない。
さすが伝説の解像力、という確認を行ったところで街をスナップしてみる。
フォーカスしたところの描写はすごく良いが、f2.8開放でもボケはざらざらして溶け込まない。ノイズになっていて気になる。
f8に絞ってみる。背景はあまりぼかさない方が気持ち良い。フォーカスしたところは凄く解像していて浮き立つ。
さて、EL -NIKKOR63mm f2.8。さすがの描写力で、絞った時の解像感は凄みがある。開放でもきちんと写るが、ガサつくボケは使いにくい。
ボケに期待できないことから、f5.6以上に絞ったほうが長所が出るレンズだと思う。
ボケに期待できないことから、f5.6以上に絞ったほうが長所が出るレンズだと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿