市塚光学、ペンタックス、リコー COSMICAR 12.5mm f1.4 シネレンズの歴史 Ichizuka, PENTAX, RICOH, The history of cine-lens, Cosmicar 12.5mm.


 ニコン1にあうCマウントレンズ、という目的で手に入れたレンズ。昔の監視カメラ用だが、レンズブランドのCOSMICARの上に「National」がついているおかげで安く手に入れることができた。ところがこの素性を調べると実に興味深い‥

現在のリコーのカタログにもFA用1インチセンサー用レンズとして載っている。

12.5mmという半端な焦点距離は、16mmフィルム シネカメラ用の標準的なもの。

COSMICAR 12.5mm f1.4は、おそらく1950年代の16mmシネレンズとして確認できる。

当時のCOSMICARは市塚光学のブランドで、同じレンズがProfessional KINOTAR ブランドでも存在している。「KINOTAR」はキネマから来ていると思うが、英語圏ではcine-が一般的なためイメージが伝わりにくい。そこで、英語表現としてイメージのわかりやすい「COSMICAR」を輸出用ブランドにしたのではないだろうか。

市塚光学はペンタックスに吸収され、その後リコーになったが、COSMICARブランドは最近まで生き残っていた。

これらから推察(妄想)できるのは、60年間作られ続けているレンズと、メーカーの変遷を生き残ったブランドの物語。新旧レンズ比較やメーカー取材をすれば信憑性があがるが、手間やお金がかかるので妄想だけで楽しもう。

そんな妄想を抱きながら、実際のレンズを見てみよう。

外観は、昔のロマンチックなシネマレンズ・デザインから、モダンでつまらない(監視カメラに合う)デザインに変更されている。Cマウントはフランジバックが17.5mmと短く、マウントアダプターに潜り込むような形になっている。このレンズは太いため、装着できるかはギリギリだ。早速見てみよう。

マウントに潜り込む部分の太さは40.2mm。所有しているCマウントアダプターでいえばEマウントNIKON1マウント(ほんとにギリギリ)はOK。M4/3マウントは入らなかった(レンズ後部の削り加工が必要になる)
もともと16mmシネ、1インチセンサー用なのでニコン1で運用する。換算34mmの広角レンズになる。

真ん中の木にフォーカスを合わせているが、被写界深度の深い12.5mmでもf1.4の明るさがあるので背景はボケる。ところが、背面モニターでフォーカスを合わせるのは至難の業だ。
開放だとフレアがかって、フォーカスのピークが分からないのだ。モニタールーペを付けたことで、かろうじて合わせられるようにはなった。



光芒がきれいにでます。




ニコン1の描写は荒れ気味ですが、フイルムっぽく写ります。



画像が荒いニコン1なのでよくわからないですが、ビシッとシャープで高解像度、というレンズではないように見えます。よく言えば、味わいのある優しい描写です。
いっぽう周辺描写は良く画面全体に均質に写ります。この描写は監視カメラ向きなので、じつは昔の16mmシネレンズからリニューアルされているのかもしれません…。さてどうなのでしょう。










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