KODAK INSTAMATIC 300: インスタマチックの楽しい写真をデジカメで。Take fun photos like the Instamatic with a digital camera.

Modifying a Kodak Instamatic 300 triplet lens for a digital camera. It is sharper than expected, but makes me feel like taking fun pictures.

昔のコダックのインスタマチック、126フィルムでは写真は撮ったことがない。だけど、あの正方形でゆるい写真はとても楽しそうだ。インスタマチックは(ポラロイドとともに)インスタグラムにも影響を与えているのは有名だ。

インスタマチックは1963年にコダックが発売した126フィルムとカメラである。それまでのカメラはフィルムの装着に慣れが必要で、失敗すると何も写っていないことになる。大事なシーンで失敗したらトラウマだ。インスタマチックではフィルムをカートリッジに収めることで誰でも失敗なくフィルムを入れられるようにした。そしてカメラはチープだけど低価格で大ヒット、1970年までに5000万台以上販売されたという。

今回のKODAK INSTAMATIC 300 は1663年、インスタマチック最初からの製品で、チープだけど中級のグレードだった。レンズは41mm f8、暗いのは固定焦点でパンフォーカスのためだ。チープなプラスチックレンズだが3群3枚のトリプレットと奢っている。楽しい写真が撮れそうな気がして、デジタルカメラ用に改造することにした。

インスタマチックの126フィルムは、35mmフィルムと同じ幅だが、送り用の穴を片側にして画面サイズを上下に拡大、幅は逆に狭くして26✕26mmの正方形とした。当時のアメリカでは6✕6cmのブローニー判がまだ一般的で、写真といえば正方形という認識だったらしい。

下図はフィルムサイズの比較。外側が35mmフルサイズ。次の正方形が126フィルム、小さいのがAPSサイズだ。35mmフルサイズに比べると、126フィルムのインスタマチックはわずかにイメージサークルが小さいので、35mmの4隅まではカバーできない。


分解してレンズを取り出す。プレスチックレンズは1枚めと2枚めはセットになるように成形されていてレンズ間隔は厳密だ。その一方で3枚目はあまり厳密ではなく、改造でもノギスで測った間隔でパーツを制作した。


INSTAMATIC300と同じ用になるようにレンズを組んでみたが、逆光には弱そうだ。フードも必要な気がする。


フィルターネジはないので、フードはジャンクパーツを改造して制作・装着した。
さあ、撮影だ。




4隅は(イメージサークル外なので)ボケるが、それ以外は意外なほどよく写る。さすがトリプレット、でも遠景描写は少し平面的か。





近景だと、結構ボケる。ボケの形も結構きれいだ。






赤の描写が印象的。オールドレンズらしく全体に彩度が低い感じなこともあって、赤が目立つ気がする。



f8と暗いので夜はきつい、だけどデジカメの威力で高感度にすれば撮れてしまう。あれた画像も雰囲気だ。


気軽、という点ではAPSサイズのデジカメのほうが軽くてよい。41mmは長めの標準レンズになるが、どうだろう。





長めの標準による撮影は「気軽にパシャパシャ」よりも、見つめて切り取る感じになる。レンズの気軽さ、からすると35mmフルサイズによる撮影「広めの標準」のほうがあっている気がする。


インスタマチックというとゆるい描写を予想したのですが、なかなかどうしてシャープな描写です。プラスチックレンズといえども、充分に絞ったトリプレット構成の力でしょう。

35mmフルサイズだとイメージサークル外になる4隅はボケます。1:1フォーマットが使える機種ならば、そのほうがインスタマチックらしい気分が出るので良いかもしれません。

今回「楽しい写真を撮ろう」と心がけました。それで撮っていると初心を思い出した感じです。「楽しい写真」とはレンズの描写ではなくそういう気分になる、ということですね。当たり前のことを再認識しました。










0 件のコメント:

コメントを投稿