A Tessar-type lens that challenges the limits of brightness, it is characterized by a soft, bubbly bokeh when wide open. When stopped down, it produces sharp images with sharp contrast, typical of traditional Tessar lenses.
20世紀、フィルムカメラ用で最もポピュラーなレンズ構成だったテッサータイプには、暗黙の掟があるようだ。
「f2.8よりも明るいレンズは作ってはならない」
高性能な新光学ガラスが開発され、格下だった3群3枚のトリプレットレンズが同じf2.8に到達しても、テッサータイプはそれ以上明るくすることはなかった。だがその掟を破った者がいる。
テッサーは3群4枚のシンプルなレンズ構成で、1902年20世紀の始まりにf6.3の明るさで発明された。その後、ガラス素材の改良とともにf2.8まで明るくなった。写りの良さとコストのバランスが良く、フィルム時代のコンパクトカメラでは一般的な38mm f2.8のレンズはたいていテッサーであり、デジカメが一般的になる21世紀になるまで広く使われた。
そんな20世紀を代表するテッサーレンズだが、明るさはf2.8が限界で、それ以上明るい製品は存在しない、と思っていた。
NIKKOREX 35
フィルム前に配置するフォーカルプレーンシャッターが高価だった時代、レンズシャッターを使用する一眼レフがあった。
1960年発売のレンズ固定式のレンズシャッター一眼レフ、ニコン NIKKOREX 35にはテッサータイプの50mmが付いている。そしてこのレンズは新種光学ガラスを3枚使うことでf2.5を達成したという。だが、このレンズはNIKKOREX のみに使われ、のちに1969年発売されたNIKKOR 45mm (Fマウント)はf2.8であり、ニコンのテッサータイプは二度とf2.8を超えることはなかった。
( 他の例として、2001年のFujifilm KLASSEの38mm f2.6、もう一つはなんと2020年のKISTAR 40mm f2.4 が確認できている )
1960年のNIKKOR 50mm f2.5 は新光学ガラスによる高画質で被写界深度の浅いレンズと謳っている。ここまで調べて盛り上がってきました。掟を破ったレンズは、どんな写りなのだろうか。
ニコンは、機能を割り切った低価格機が苦手で、このニコレックス35も、低品質と醜いデザインで評判を落とした。
汎用のレンズシャッターを使用するレンズ固定の廉価版一眼レフなのだが、外部生産部品間のすり合わせが悪かったようで生産初期は故障が多かった。それにライバルのコーワやトプコン(作例)に比べて、すごく安かったわけではないのにスペックでは大きく劣った。
ライバルは見やすいプリズム式のファインダーを持ち、6枚構成のレンズはf2の明るさを持っていた。ニコンはコストダウンで4枚構成のテッサーだが、少しでも明るくf2.5にがんばったのだろう。
ジャンクからレンズを外し、レンズシャッターの開放化をする。
最短の0.6mより寄りたいので、フォーカシングはヘリコイドアダプターを使う。改造もM42マウント化するだけで比較的簡単。
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