フィルムからプリントするための引き伸しレンズは、周辺まで均一な描写力が求められる。そのため、長めのレンズの方が設計は容易で、準広角の画角を持つ引き伸しレンズは珍しい。 でも準広角の利点もあり、大きなプリントを伸ばす時に引き伸し機の高さを抑えられる。また、ハーフサイズやネガの一部をトリミングする時に使いやすい。
EL-NIKKOR 40mm f4Nは、準広角の画角を持ちながら、高性能な引き伸しレンズであるために凝ったレンズ構成をしている。
前と後、対照型に薄い凹メニスカスを配置している。広い画角で周辺光量の確保に効果が大きいらしい。変形ビオゴンのレンズ構成(だと思う)。その凝ったレンズ構成から、価格もEL-NIKKORの中では、定価29,000円もっとも高価であった。 そんな面白そうなEL-NIKKOR 40mm f4Nを一般撮影に使ってみる。
ソニーEに装着するには、トータル25mmの中にフォーカス用のヘリコイドを入れる必要がある。薄型のM42アダプター+M42ヘリコイド中間リング17ー31mm+7mm中間リング+L39 M42変換リング(厚さ1mm)。コレでほぼピッタリ無限遠になる。ヘリコリドをいっぱいに繰り出すと、10cmの大きさのものがいっぱいに写る。
開放、右上隅。
近接撮影は色収差もなく、とても良く写る。準広角の遠近感は、臨場感があって良い感じだ。そしてf4の開放値でも、背景は思ったよりもボケて、しかもボケ味もそんなに悪くない。
開放では思ったよりもボケる。決してきれいなボケではないが、フォーカス面が浮き立っているので嫌いではない。
f 11まで絞る。ボケはうるさくなってきたが、周辺まで安定していて許容範囲かな。
きれいなボケではないが、フォーカスがあったところがとてもシャープなので主題が引き立つ。ポートレートもいけそうだ。
EL-NIKKOR40mm f4N は一般撮影に使用してもシャープで良いレンズです。開放f4というスローさが気になりますが、実際に使うとボケも使えるし、近接もシャープで万能感あります。
このところニコンの引き伸しレンズを撮影に使っていますが、どのレンズも画面全体に均一に高画質なのが特徴です。欠点はボケで、汚くなるシーンがあります。このEL-NIKKOR 40mm f4Nのボケはぎりぎり柔らかさを持っていて、使いやすい印象でした。
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