今回も、円周魚眼である。
円周魚眼はあまりに特殊レンズであり、したがってとても高価だ。でもフロントコンバージョン・レンズならば安い。と、前回も書いた。でもフロントコンバージョンレンズは簡易魚眼が多く、180度以上の画角を持つもの本格魚眼は、やはり高価だ。そんななかでも、このNIKON FC-E8は、玉数があるのでオークションで安く買えることもある。
このFC-E8は1998年製。当時は映像素子が小さいものしかないため、デジタルでは一眼レフがつくれなかった。そのためニコン唯一のデジタルカメラはコンパクトカメラだった。まじめなニコンはデジタルユーザーのために、画角183度、本気のフィッシュアイコンバーターを用意したのだ。
このレンズはニコンの千夜一夜にも(あっさりとだけど)紹介されている。
小さな28mmフィルターねじ から広がる見事なキノコ型。レンズは魚眼らしく前玉が大きくデメキンだ。
まずは小口径ズームにつけてみる。小口径ズームは、ズーム域によってレンズの中心部だけを使うため、小口径コンバーターと相性が良いことが多い。見た目はあまりに不格好だが、写りは周辺まで問題ない。35mmのときにちょうど良く、7mm円周魚眼になる。画面にはレンズの表面の汚れが直接写っている。やはり普通じゃない。
写りはいいのだけど、これを持ち歩くのは邪魔だし、キノコ型があやしすぎる。コンパクトカメラ用の35mmレンズで、相性良いものを探そう。
コンパクトカメラ用の35mmレンズは、口径も小さくコンパクトで、今回のマスターレンズにぴったりだ。
いろいろ持っているので(比較記事あります)くみ合わせてみた。
ざっと実験したところ、オリンパスμから改造した3枚3群のレンズ(作例)が相性良かった。キノコ型なのはどうみても怪しいが、コンパクトなのはいい感じ。
撮影していて、いつもと違う感じ、どうにもならないような違和感を感じました。
写真の構図はフレーミングとポジショニングで決まります。望遠レンズだとフレーミングがより重要になり、広角になると逆にポジショニングが重要になります。
つまり広角では「主題に一歩近づいて撮る」ことが重要になります。その極端なのが円周魚眼なのですね。もうフレーミングはあまり関係ない。構えた前側は全部写りますし、フレーミングは自分の足を入れるか入れないかくらいです。
極論すれば、
円周魚眼ではポジショニングがすべてだ。
どこにカメラを置くか、ポジショニングでしか写真は変化しません。しかも直感で結果が分かりにくいので、歩き回ってはカメラを覗いて、を繰り返していました。
180度をこえる円周魚眼は、いつもと違う写真体験でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿