私はリコーのカメラが好きである。最初の一眼レフはXR500で、30年あいだが空いて、いま愛用しているのがGR。どちらもとってもいいカメラだ。
リコーは伝統的にレンズがいい。
GRのレンズがいいのは当たり前だが、XR500 のレンズ、リケノン50mm f2もとてもよかった。それは富岡光学製ということで、自社製にこだわらないで、良いものならば他から調達することが、良い結果を生んでいるのだろう。
さて、このスーパーショット、カメラとしてもゼンマイ自動巻きでとてもユニークだが、無理をした電子シャッターの信頼性がいまいちらしい。でもレンズは富岡光学製だ。
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera/cameralist/supershot.html
自社サイトで製造元を正直に書いているのも、マニアである我々と同じ目線で好印象だ。
さて、このレンズを現代化したい。ジャンクカメラからレンズを取り出す。ボディ左右のボディカバーを外し、その下にあるレンズボードごとレンズを外す。
前からも分解すると、電子基板が現れる。電子化初期の一生懸命さが表れていて、良い感じだ。
この電子シャッターは絞り兼用で、マニュアルで絞るためには改造が必要だ。シャッターメカを外して、ばねやストッパーの位置を変更して、マニュアル操作をできるようにした。
オリジナルのヘリコイドでは寄れないので、m42ヘリコイド中間リング13-22mmをつかう。25㎜の鏡胴のねじにステップアップリングを組み合わせてm42にしてヘリコイドリングを装着する。
さてこのリコーの43mm、f1.7の明るいレンズ、ダブルガウスの4群6枚構成。富岡光学製の写りはどうだろうか。
f1.7開放の時のピント面は浅い。奥の国立博物館に対して手前の人たちはアウトフォーカスだ。あと、隅の周辺減光は結構厳しい。
後ボケは2線ボケの傾向。
前ボケはきれいで、前側のピント面が浅い。後ろ側は深く、ピント面がにじんでいる。過剰補正の球面収差があるのだろうか。
撮影距離30㎝。ピント面は極薄だ。
このリケノン43mm、前側のピント面の薄さが特徴的です。解像力はありますが、開放ではにじみます。絞ればシャープに写るでしょう。この特性はオールドレンズらしくて、面白そうです。
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