OLYMPUS AF-1 TWIN これは2眼レフ?ユニークな2焦点カメラを分解、改造する。

1988年発売のフィルムカメラ、オリンパスAF-1ツイン(ピカソ ツイン テレ)は、ちょっと大柄で、目(レンズ)がいっぱい付いている。
 最近のスマホのマルチレンズカメラみたいだけど、当然アナログ。なんと35㎜と70㎜のレンズが2個ついているのだ。2個のレンズをミラーで切り替えて使う、となんとも珍しいメカを持っている。さっそく分解して、メカを見てみよう。


フイルム室から見ると、一眼レフみたいなミラーが見える。一眼レフみたいだけど逆向き。これを電動で動かして、上の70mmと下の35mmを切り替える。通常とは違うけど、これも2眼レフだ。
 この2焦点カメラは、広角も望遠も専用レンズを持っているから、写りに期待ができる。でも不安点があって、初期のプラスチックレンズを使っている。プラスチックレンズは成型品だから通常は高価な非球面レンズが安価にできる。でも研磨したガラスレンズよりも表面精度は劣る。結果として、周辺まで均一な描写をしながらシャープさに欠けた寝ぼけた写真になる可能性がある。
 さあ、絞りは固定、フォーカスはヘリコイドアダプターでおこなうという、簡単な方法で改造した。35mmF3.5のレンズはF5.6くらいに、70mmF6.3はF9ぐらいに絞っている。



70mmはフードっぽいカバーを付けたこともあって、AF-1 TWINについていた時に比べて、ずいぶん大きく見える。オリジナルは屈曲光学系なので、折れ曲がることによって、とてもコンパクトにまとまっている。
さて、写りはどうだろうか。5群5枚のテレフォト構成の70mmから見てみよう。







F9だとあまりボケないけど、この絞りでもあまり解像感が感じられない。キレがない気がします。
3群3枚の35㎜はどうでしょうか。


周辺まで解像してますが、歪曲は大きいです。





35mmのほうは、シャープに写っている。でも、もっとキレてほしい気もする。
昔、これの兄弟機種の単焦点版「濡れてもピカソ」を持っていたことがあった。同じように絵にキレがなかった記憶がある。このころの(今も?)プラスチックレンズは、モールドの精度が研磨に対して足りなかったのだろうか。
 さて、このオリンパスAF-1ツイン。一台で2個レンズがついてくるお得なカメラだけど、当時の先端技術プラスチックモールドレンズが、足を引っぱっている気がする。

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