フジ テレ カルディア Fuji DL-250 2焦点カメラ

コンパクトカメラでもレンズ交換をして遠くのものを大きく撮りたい。
そんなニーズに応えるために、コンパクトでも望遠が使えるように、テレコンバータ内臓式の2焦点カメラが生まれた。一時期大いに普及したが、高倍率かつコンパクトな沈胴式ズームレンズが生まれて、その役目を終えた。


この「フジ テレ カルディア」は1987年発売のフジフイルムによる2焦点カメラである。
開発時期はライバルに対して遅れている。遅いのはビジネス的には良くないけど、ジャンクとなった現在では関係ない。大柄で無理をしていない設計から、フジフイルムらしい端正な写りが期待できて、改造することにした。
レンズは3枚玉の34mm。長焦点側ではこれにテレコンバータをつけて望遠にする。


分解して構造をみると、レンズが前方に移動してテレコンバーターがレンズの後ろにとびだすようになっている。これで53mmである。どこが望遠? 標準じゃないか。とういうツッコミはもっともで、フジでもすぐに望遠70mmの2焦点カメラがすぐに主流になった。

テレコンバーターによる望遠化は、元の広角レンズの性能が重要だ。まじめなフジフイルムだから、34mmの写りは期待できる。

不可逆的分解(破壊)を行い、レンズユニットを取り出す。オリジナルのヘリコイドは作動範囲が狭く、絞りは形が悪い。努力に対して得るものが少ないので流用は諦める。絞りは紙でf 6.7固定。フォーカスはM42ヘリコイド中間リング(13-22mm)を使う。

プラスチック製のコンパクトカメラを分解すると、その合理的設計が災いしてレンズ単体ではまとまらず、バラック感がただよう外観になってしまう。適当なアルミリングを化粧としてつけてみる。


まあこんなもんでしょう。これでミラーレス用の34mmになった。街に出て撮ってみよう。


4隅の微妙な甘さに目をつぶれば、とてもよく写っている。特に中心部はシャープだ。


歪曲も少ない。


特筆すべきは周辺減光、色かぶりの少なさで、デジタルとの相性がいい。今まで改造した35mmとくらべても、バランスの良さが光っている。

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