よく写るハーフサイズカメラのレンズ  KONICA EYE 2 / HEXANON 32mm f1.8 The half-size camera lens that takes good pictures


35mmハーフサイズカメラは、1959年、オリンパスPENの大ヒットからスタートした。大ヒットすれば他メーカーも追従する。コニカは1964年にライバルたちに遅れてハーフサイズカメラを発売した。

遅れて登場したKONICA EYEだが、東京オリンピック、新幹線開通の全日本的イベントには間に合った。カメラブームに乗ってこれも大ヒットとなった。

今回取り上げるKONICA EYE2は、その後継機。

登場は1967年のようだ。モデルチェンジで、感度の低かったセレン光電池から感度の良いCdSセンサーに変更になり、レンズもより明るいf1.8になった。

翌1968年にマイナーチェンジでEYE3になるが、ほぼ同時に同じくらいコンパクトな35mm フルサイズカメラC35が登場した。それが大ヒットしてハーフサイズカメラの人気は急減した。



KONICA EYE2も良く売れたので、現在でも手に入れやすい。壊れたジャンクカメラをレンズ改造目的に手に入れた。


コニカらしいまじめなデザイン。コンパクトカメラだけど、面白みよりも高級感重視だったのだろう。


EYEシリーズはレンズの評価が高い。レンズ構成はガウスタイプだが、シャッター兼用のビハインド絞りがレンズの後ろ側にくる。もともと対称型のガウス構成を非対称に使っているのが珍しい。


シャッター兼用の絞りは、形が悪く、これではきれいなボケは期待できない。円形絞りに改造しましょう。



レンズが持つフォーカスヘリコイドを活かしながら、デジタルカメラ用のEマウントを装着。
新たに制作した円形絞りはターレット式で、開放 f1.8 f3.5 f6.7の3段階。
最短撮影距離が1mでは遠すぎるので、補助ヘリコイドで30cmくらいまで寄れるようにした。

工作は3dプリンター。絞りのクリックが甘く、ズレやすいのが失敗点。ズレると描写が崩れる。



ハーフサイズはAPSデジタルとほぼ同じフォーマットサイズ。
改造レンズを装着するのに相性が良い。

開放 f1.8 からシャープな描写が素晴らしい。ただデジタルでは色収差のフリンジが出てクサリに色がつく。周辺部は像面湾曲もある。

もっと寄れば、像面湾曲は気にならなくなる。

周辺減光は、非対称構成の影響だろうか。このくらいは絵が引き締まるので、欠点ではない。

















描写は開放からシャープで、さすが名品ヘキサノンです。少しフレアがあって柔さがありますが、f3.5に絞ればそれも消えます。
中間距離の時は、周辺描写に像面湾曲の癖を感じるので、絞りたくなります。
近距離はボケも綺麗で、とても良いレンズだと思います。

KONICA EYE2 (3) はライバルから遅れて登場したカメラですが、その分、レンズ描写力が良いのでしょう。ハーフサイズカメラの流行には遅れ気味でしたが、流行を終わらせた張本人は、「KONICA EYE2 (3) をベースに開発したフルサイズカメラKONICA C35」だったわけですから、メーカー的には問題無しですね。




















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