3群レンズの究極形 MAMIYA SEKOR 5cm f2.8 / The ultimate 3-group lens

 MAMIYA 35 II       SEKOR 5cm f2.8 3群5枚構成  1956年発売

MAMIYA SEKOR 5cm f2.8

MAMIYA 35 II

MAMIYA 35IIのレンズは、凸凹凸の3群構成で、2、3 群目を張り合わせレンズにした3群5枚の珍しい構成だ。このレンズ構成は、同じマミヤの中判カメラとライカの一部にしか、たぶん使われていない(構成図は分解時に見た目でスケッチ)

しかし、吉田正太郎氏による名著「写真レンズの科学」には、1957年にライカから申請されたf2.8口径のパテントが同様のレンズ構成であり、新種ガラスを使った極めて高性能な、新世代レンズとして載っている。

1958年、そのパテントのレンズがELMARIT 90mm f2.8として発売された。

MAMIYA SEKORとの違いは、レンズ構成の2、3群間が狭く、絞りは1、2群間にある。中望遠レンズだがイメージサークルは広く、中判フィルムもカバーしているらしい。


このレンズ構成はその後、1970年のプロ用中判機 MAMIYA RB67の長めの標準レンズ127mm f3.8(35mm換算63mm)にも使われた。レンズ構成の2、3群間は狭いが、スケールアップされたことで絞りとレンズシャッターが入る。長く使われたが、1990年に近距離撮影時の画質とボケの改善を目的にガウスタイプにモデルチェンジした。

これらの関係はよくわからないが、第一線で長い間使われた究極の3群レンズといえると思う。今回はMAMIYA 35II に搭載された SEKOR 5cm f2.8 をデジカメ用に改造したレポートになる。



















描写は、開放f2.8からシャープ

欠点はボケで、前後とも距離によって汚くなる時がある。中間距離の時、とろけないでザワザワと主張してうるさい。

逆光にも弱い。時代的にコーティング技術が未発達こともあり、抜けの良い3群レンズながら逆光には弱い。フードは必須だ。

それでもコントラストが良く、被写体が引き立つ立体感があって高性能レンズだと思う。

しかしf2.8という口径は標準レンズでは中途半端なのでしょう。同じf2.8でも3群4枚のテッサーはコストが安く、サイズもコンパクトで描写も充分に良い。同じf値では、描写が多少高性能でもアピールし難い。

35mmでは難しかったが、フォーマットの大きなカメラなら中口径は問題ない。主にスタジオで使われる中判カメラの高品質な標準レンズとして、このレンズ構成は長く使われた。

次はそんなレンズをレポートしたい。(カビたレンズだけ手に入れたが、どうやって撮影するか.....)








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