コダックのブローニーは普及向けブランドで、低価格で発売された。このコダック ブローニー リフレックスは当時人気だった2眼レフ(の簡易版)ファインダーを付けたモデルで、1940年に発売された。第2次世界大戦中である。
フィルムは4×4cmの127サイズ。シャッター/絞り/フォーカスはすべて固定。レンズはメニスカス1枚で、スペックは80年前の「写ルンです」だ。2眼レフ風のファインダーは左右反転像だが、明るく見やすい(フォーカス面のマットがないため、厳格なフレーミングは難しい。気楽に撮るカメラだ)
80年前のベークライト製のボディは丈夫だが割れやすく、何度も修理しながら使われてきた。そのジャンクカメラからレンズを取り出して使ってみる。レンズはたった1枚のメニスカスレンズ。そのままだと収差だらけだが、レンズ後方にf11相当の固定絞りを置くことで、性能を得ている。
改造レンズをつくるなら、フォーカスも絞りも使いたい。レンズ後方にターレット絞りを配置し、ヘリコイドアダプターでフォーカスする構造にした。
組んでみると、レンズのバックフォーカスは45mmくらい。メニスカスレンズなのでテレフォト気味で、焦点距離は50mmくらいのようだ。127フィルム、4×4cmがオリジナルサイズなので、準広角レンズだったことになる。まさに「写ルンです」だが非球面レンズではない単純な単玉レンズだ。周辺描写は厳しかったのではないだろうか。
きちんとは写るが、やはり面白みは少ない。ところがこの絞りを開放にすると、、、
開放f5.6だと、球面収差のフレアーによってソフトフォーカスになる。
フォーカス面は深い。球面収差によって、フォーカスが合っている状態とボケている状態が同時に写っていると考えていいだろう。
だから、フォトショップでも同じ様にできる。レイヤー複製してガウスぼかしをして、比較(明)合成をおこえば、同じことだ。
上の写真は合成でつくった疑似ソフトフォーカス。差はあまりない、というかこちらのほうがキレイなくらいだ。リアルなレンズでやることの利点は、リアルタイムで目で見て驚き楽しめることになるのだろう。アプリでの後処理は、やっていてあまり気分は盛り上がらない。
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