ロモグラフィの視点は面白い。
フィッシュアイ(魚眼)には2種類ある。「空を全部撮る」みたいに半球空間を円い映像に収める全周魚眼。通常の広角レンズと同様に四角いフレームの写真だけれど、対角線で180度くらいの画角がある対角魚眼。この2種類で、一眼レフシステムでは両方のレンズが用意される。
撮影してみると、対角魚眼はそれほど特殊ではなく、超広角レンズの一種と感じられる。極端な遠近感と空間全体が映るので撮っていて面白い。その一方、全周魚眼はぜんぜん普通じゃない。四角いフレームの中、短辺に合わせた円しか映像はなく、被写体は大きく写らない。多少のフレーミングでは写真は変化しないので、足で移動するポジショニングが全ての世界だ。スポーツみたいだけど、写真にするには手ごわい。
ロモグラフィのフィッシュアイ カメラは、この面白い世界を手軽に遊び倒そうというコンセプトだ。そして彼らは、フィッシュアイ2種類の中間を狙ってきた。全周魚眼の映像部を大きくして、上下はフレームで切れる構成だ。
(Lomography 10mm f8 fisheyeをSONY a7に装着して撮影)
こうすれば特殊な魚眼でありながら被写体を大きく写すことができる。記録用途では中途半端だが、遊びならばいいとこ取りだ。彼らの視点はなかなか面白い。
ジャンクなカメラを手に入れてみた。トイカメラらしくプラスチックでできていて、露出もフォーカスも固定だ。暗いところではフラッシュで被写体を強調できて楽しそうだ。
でも分解してミラーレスカメラの交換レンズにしてしまう。私はもうフィルムよりもデジタルだ。フィッシュアイはクローズアップだと思うので、フォーカスも近距離対応したい。
絞りも固定。焦点距離10mmでf8だから、わずか「1.3mm」しか後玉は開いていない。収差を抑えるためだと思うが、小絞りボケしそうだ。
a7につけると、コンパクトでいい感じ。レンズは白っぽく見えて、プラスチックレンズな気がする。プラスチックレンズのトイカメラだから、写りに過剰な期待はできない。魚眼は楽しいし、雰囲気はでている。そして予想通りあまり解像していなく、写りに「コク」はない。名レンズではないけど、おもちゃとして遊べる。
APSミラーレスでも撮ってみる。ちょうど対角線魚眼になりそうだ。
シャープな解像力が足りないのはしょうがないが、APSミラーレスなら軽くて、写りもバランスしている気がする。この改造レンズはAPS用にお勧めだ。
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