OLYMPUS XA2 オリンパスXA2 D.ZUIKO 35mm f3.5


オリンパスXA2、1981年にグッドデザイン大賞をとった、プロダクトデザインの名作だ。バリアを閉めてカプセルになった時のかわいい感じと、開けたときに見えるレンズ周辺のメカの対比が、デザインのポイントである。
 といっても1978年に出たオリジナルのXAのほうがよくデザインされていてかっこいい。グッドデザイン大賞がXA2だったのは、XAの発表時はまだグッドデザイン賞がなかっただけである。2つを比較するとXA2のほうがメカ要素が弱く、すこし緩さがでてしまう。オリジナルのXAを持っていることもあって、壊れたXA2は分解することにした。

分解したレンズボード。レンズシャッター兼絞りは、4枚4群の3と4の間にある。レバー操作で絞りは調整できる。

https://www.olympus.co.jp/jp/news/1997a/nr970218mju2j.html




レンズ構成はこんな感じ。実はこれは後継機であるμ2の構成図だが、大体同じような構成である。実はとても変わった構成で、同じような構成を持つのはオリンパスのXA2とμ2、そしてリコーR1しか知らない。前3枚のトリプレットレンズに、像面湾曲を修正するフラットナーレンズを兼ねたテレコンバーターを組み合わせたような構造に見える。この構成の目的はテレフォト・レンズ配置で焦点距離よりも全長を短くすることにある。同時に、「中央部の写りは抜群にいいけれど周辺がだめなトリプレット」の欠点を改善する効果もある。そのせいか上記3機種のレンズはどれも評判がいい。果たしてテレトリプレットの元祖XA2の実際の写りはどうなのか、興味深い。

レンズボードをEマウントに合わせて切り出す。ニッパーでぱちんと切ってやすりでととのえた。無限遠がうまく出そうなので、マウントとはエポキシで接着してしまう(ネジだと出っ張らないようにする処理が面倒なので)。絞りレバーも前から操作できるように加工して曲げておく。


















レバーを動かすと、絞りが操作できる。
絞りレバー操作用に、プラバンでリングを作る。薄いレンズなので、プラバン工作だ。




マウント面から見るとこんな感じ。後でモルトプレーンで遮光する。


















フォーカス用のノブを操作するリング。プラバンの重ね合わせで、かっこよくなるのだろうか。不安だけど、小細工が面白いので作業をすすめる。


これでフォーカスも操作できる。レンズが突出しているので、小さなフードをつけて保護する。

無限遠の微調整を紙のスペーサーでして、完成。絞りもフォーカスも操作できる超コンパクトレンズ。かたちは、、、

微妙なデザイン。名作デザインのリメイクとしてはちょっと、精度感が足りない。手作りだからなあ、、、というのは言い訳。今回は機構を思いつくのに時間がかかって、策におぼれた感じか。


全長はとても短い。フード付きでこのコンパクトさ。テッサー35㎜にくらべて、5mmは短い。まあ、撮ってみよう。


周辺は少し色かぶりと減光。解像感はあまりない。絞りすぎたかも。

最短撮影距離(0.7mくらい)で羽化したての蝶をとる。悪くない。ボケは、絞りの形を反映して変な形をしている。

遠景はしゃっきりしないけど、中近距離はシャープに写る。ニーズから考えたら正しい設計だと思う。こんどは他と比較してみよう。

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